...彼は恰(あたか)も天使の楽声(がくせい)を聞いた聖徒(セエント)のやうに昏々(こんこん)として意識を失つてしまつたのである...
芥川龍之介 「東京小品」
...それから暫くの間昏々(こん/\)として苦しさうな仮睡(まどろみ)に落ちた...
有島武郎 「お末の死」
...二つの生命は昏々(こんこん)として死の方へ眠って行った...
有島武郎 「小さき者へ」
...ただもう昏々(こんこん)と眠った...
海野十三 「英本土上陸戦の前夜」
...昏々(こんこん)と睡りつづけているのです...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...だが、子供は九度以上の高熱で、かっとほてって、そして水分の乏しいようなしなび方をして、昏々と眠り、時々手足の筋肉を、ぴくりぴくりさしています...
豊島与志雄 「肉体」
...それからは昏々と眠り続けた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...昏々として麻睡させられて居たのでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...昏々(こん/\)として眠つて居る姿です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...前後不覚に昏々たる眠りに陥つた...
牧野信一 「痴想」
...昏々(こんこん)蒙々(もうもう)...
横光利一 「上海」
...“自分”は昏々と昏醉状態に陷りますけれども...
吉川英治 「折々の記」
...昏々(こんこん)と仆れて夢中の霧につつまれたように気を失ったのが...
吉川英治 「剣の四君子」
...昏々(こんこん)としていた病人は...
吉川英治 「新書太閤記」
...昏々(こんこん)として...
吉川英治 「新・水滸伝」
...昏々(こんこん)としていた紋日の虎...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...昏々(こんこん)と仮死してしまった...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...僕はマルセーユから催眠酒をのまされたような意識を失って近東行の急行列車に乗ると昏々(こんこん)とマホガニイの寝台でフロレンス辺まで吊されていたらしいのだ...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
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