...明確な調子がなくなつてる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...之等の維持者を背景として民族道徳が案外嚴格に守られて居ると云ふ明確な事實からして...
橘樸 「支那を識るの途」
...窓の外はまだまっ暗であるが「もう夜が明けるのだな」という事が非常に明確な実感となって自分の頭に流れ込む...
寺田寅彦 「病院の夜明けの物音」
...見つめることはただ対象物を明確ならしめるだけに過ぎないという...
豊島与志雄 「書かれざる作品」
...プロレタリア文芸の明確な規定がある...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...まるで夢のように浮動した而も明確な情景だった...
豊島与志雄 「常識」
...一つの明確な政治的指向がある...
服部之総 「福沢諭吉」
...やつぱし明確なもののまはりを混沌がとりかこんでゐて...
原民喜 「かげろふ断章」
...少しも明白かつ明確な観念は無いのである...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...でき得る限り明確な姿をとらせないままにしてきた...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...けれど歴史哲学が如何なる地盤に立ち如何なる方向に進むべきかと云ふことに就いて、彼自身明確な、徹底した洞察を欠いてゐるために、千頁に近いこれらの批評も凡て宙に迷つてゐます...
三木清 「消息一通」
...理論的形式をとってより明確な妥当性を与えなければならないとなると...
横光利一 「新感覚論」
...このため官能表徴と感覚表徴との明確な範疇綱目を限定することは最も困難なことではあるが...
横光利一 「新感覚論」
...明確なテンポをとって段階を描きながら...
横光利一 「花園の思想」
...何か明確な地点を見出したものらしく...
吉川英治 「江戸三国志」
...數字といふものはあくまで起因と無窮數につながつてゆく科學基點の明確なものとばかり思つてゐたが...
吉川英治 「折々の記」
...明確な記憶をよび起せなかったが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...明確な形態を見分けることが極めて難しいはずだ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
便利!手書き漢字入力検索