...この點に就いて明瞭な意識を缺いてゐるために...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...彼はコンパクト一つにもかなり明瞭な説明をつけ加えた...
海野十三 「赤外線男」
...「本当に、どんなにされても、構わぬというのかね」扉を隔(へだ)てたせいか、ひどく不明瞭な、ボウボウという声が、答えた...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...不明瞭な説明を試みた...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...意義明瞭ならざるふしもありしならん...
綱島梁川 「予が見神の実験」
...論理学的に取り上げた最も手近かな明瞭な場合は...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...明瞭なわけである...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...」明瞭な答えに吉村は苦笑した...
豊島与志雄 「鳶と柿と鶏」
...すでにパウロにおいて明瞭なる思想的表現を見たが...
波多野精一 「時と永遠」
...不明瞭な苦痛は、明瞭な苦痛より未だ増しだ...
牧逸馬 「運命のSOS」
...どれも僕の明瞭な採集記憶を呼び起させて...
牧野信一 「サンニー・サイド・ハウス」
...私には全く明瞭なことと思われる...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...あらゆる政府の明瞭な義務と思われるが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...マルクスはこのことを次の如き明瞭な言葉をもつて言ひ現はしてゐる...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...その直接の原因は「科学の発達」によるものであることは申上げるまでもない明瞭なことでございます...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...(b)論理学そのものが最も明瞭なものとして提示するであろう命題を取ろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...額は明瞭な富士額で鼻と腮(あご)はハッキリわかりませんが……もしもし……ハッキリと判りませんが兎(と)に角(かく)中肉中背の素晴らしい美人で...
夢野久作 「暗黒公使」
...又は黴毒(ばいどく)に犯された個所の明瞭なもの)――――精神病で滅亡した家の宝物になっていた応挙(おうきょ)筆の幽霊画像――――磨(と)ぐとその家の主人が発狂するという村正(むらまさ)の短刀――――精神病者が人魚の骨と信じて売り歩いていた鯨骨の数片――――同じく精神病者が一家を毒殺する目的の下に煎(せん)じていた金銀瞳(め)の黒猫の頭――――同じく精神病者が自分で斬り棄てた左手の五指と...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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