...この點に就いて明瞭な意識を缺いてゐるために...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...階下の一室へ通されると、彼は何よりも先に、何度も聞き返さなければならない、不明瞭な言葉で、こんなことをたずねた...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...とうてい明瞭な境界を見ることはできぬであろう...
丘浅次郎 「境界なき差別」
...その内最もよく保存され佛容の比較的明瞭な勢至像の面をこゝに掲げた...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...意識の不明瞭な蒔の身体を撫でさすり...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...代数記号の使用はこれを極めて明瞭ならしめるから...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...其の智識の基礎になることは明瞭なる事實であるが...
内藤湖南 「日本文化とは何ぞや(其一)」
...蓋し其の効果の大なる婦人雑誌の言論に優る事万々なるべく示威運動の意義ここに於てか初めて明瞭なるを得べし...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...御菜に関して明瞭なる観念がないのだから仕方がない」「それじゃ君が云い付けるさ...
夏目漱石 「琴のそら音」
...」とメイスンは少し明瞭な調子で云つた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...李杜を貴び元白を賤(いや)しみしことも明瞭ならん...
正岡子規 「俳人蕪村」
...雪が風に飛ばされて明瞭な夏径がジグザグに露出していた...
松濤明 「春の遠山入り」
...却て自己把捉の無意識的な状態から絶えず明瞭な...
三木清 「歴史哲學」
...そこに少しも明瞭な意義を与えていないから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...此頃漸く明瞭ならんとするのは自他の爲慶すべき傾向である...
柳田国男 「人狸同盟將に成らんとす」
...だがこの私ひとりにとって明瞭なこともどこまでが現実として明瞭なことなのかどこでどうして計ることが出来るのであろう...
横光利一 「機械」
...答えはいたって不明瞭なので...
横光利一 「夜の靴」
...両途に迷っている国策に明瞭な指針を与えた...
吉川英治 「三国志」
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