...さうして常に科学者の如き明敏なる判断と野蛮人の如き卒直なる態度を以て...
石川啄木 「弓町より」
...これが明敏な彼の性質と相俟(あいま)って...
石原純 「平賀源内」
...不思議に新らしい傾向を直覚する明敏な頭を持っていて...
内田魯庵 「斎藤緑雨」
...敵のなかのもっとも明敏な相手を迷わせ...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...室内の一番大きな物から一番小さな物に至るまでのあらゆるものの配置、色彩の配合、些細なものの節約や、巧妙な手際や、明敏な眼識や、優れた感覚などで得られた優雅な多種多様さと対照、そういうものはそれ自身としても非常に快いものであると同時に、それの創案者をも非常によく表(あらわ)していたので、ロリー氏があたりを見しながら立っていると、椅子や卓子(テーブル)までが、この時分までには彼にはすっかりおなじみになっていたあの一種特別の表情★のようなものを浮べながら、彼に、お気に入りましたか? と尋ねているように思われるほどであった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...明敏な社会常識と...
戸坂潤 「所謂批評の「科学性」についての考察」
...明敏な知力と精鋭な感受性と豊富な生活力とが...
序 豊島与志雄 「ジャン・クリストフ」
...彼に必要なのはむしろ、思慮深い、博学な、明敏な、親切な、しかも厳格な、メントールのごとき指導者である――(それはグージャール自身のことを言ったものだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...アルノー夫人の明敏な言葉があったにもかかわらず...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...此の鄭樵といふ人は頭腦の明敏な人であつたと見えて...
内藤湖南 「支那の書目に就いて」
...だが僕は、D――の大胆な、思いきった、明敏な工夫力と、彼がその書類を有効に使おうと思うなら常にそれを手近に置かなければならないという事実と、それが総監のいつもの捜索の範囲内には隠されていないという、その決定的な証言とを考えれば考えるほど、――大臣がその手紙を隠すのに、ぜんぜんそれを隠そうとはしないという遠大な、賢明な方策をとったのだということがわかってきたのだ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「盗まれた手紙」
...どちらかの優れて明敏なほうが得ることになる...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...明敏な質であったので...
松崎天民 「友人一家の死」
...明敏な父の子爵は秀麿がハルナックの事を書いた手紙を見て...
森鴎外 「かのように」
...ひじょうに頭の明敏な公子だそうで...
山本周五郎 「山彦乙女」
...あらゆる明敏な感覚を持つ名探偵のように...
夢野久作 「鉄鎚」
...白皙(はくせき)明敏な中古代の勇士のような顔をしている参木(さんき)は...
横光利一 「上海」
...明敏な吉宗にもすぐ読めていたに違いない...
吉川英治 「江戸三国志」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??