...室内の一番大きな物から一番小さな物に至るまでのあらゆるものの配置、色彩の配合、些細なものの節約や、巧妙な手際や、明敏な眼識や、優れた感覚などで得られた優雅な多種多様さと対照、そういうものはそれ自身としても非常に快いものであると同時に、それの創案者をも非常によく表(あらわ)していたので、ロリー氏があたりを見しながら立っていると、椅子や卓子(テーブル)までが、この時分までには彼にはすっかりおなじみになっていたあの一種特別の表情★のようなものを浮べながら、彼に、お気に入りましたか? と尋ねているように思われるほどであった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...これはまことに明敏な注意である...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...全体を整然と統一するだけの明敏なる知力を伴っている...
序 豊島与志雄 「ジャン・クリストフ」
...明敏な知力と精鋭な感受性と豊富な生活力とが...
序 豊島与志雄 「ジャン・クリストフ」
...明敏な活力とのぼせ上がった愚蒙(ぐもう)との...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...此の鄭樵といふ人は頭腦の明敏な人であつたと見えて...
内藤湖南 「支那の書目に就いて」
...明敏な觀察力を諸方面に働かせた...
長岡半太郎 「ノーベル小傳とノーベル賞」
...明敏なお延の眼にそれが映った時...
夏目漱石 「明暗」
...こんなに鋭い明敏な男に下手な言い逃れは通じない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...やはり同じやうな心の状態にある人との間に於てのみ可能な事です……明敏なあなたはもう既に私が何を言ひたいと思つてゐるのかお察しになつたでせうね...
水野仙子 「響」
...明敏な頭脳がいつも何物にか饑(う)えている...
森鴎外 「かのように」
...ひじょうに頭の明敏な公子だそうで...
山本周五郎 「山彦乙女」
...しばらくは考えを統一することも困難だった……彼は道之進の明敏な質(たち)に一目おいていた...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...明敏な頭脳の持主でありながら...
夢野久作 「暗黒公使」
...あなた独得の明敏な頭脳と...
夢野久作 「一足お先に」
...白皙(はくせき)明敏な中古代の勇士のような顔をしている参木(さんき)は...
横光利一 「上海」
...督軍呉俊陞氏に愛重されてゐる明敏な壮年中将である...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...またその天蓋(てんがい)のかげに明敏なまなざしが働いていたことにも気がつかなかった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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