...不思議に新らしい傾向を直覚する明敏な頭を持っていて...
内田魯庵 「斎藤緑雨」
...4.それは凡そ世に見る限りの最も明敏な假定であつて...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...室内の一番大きな物から一番小さな物に至るまでのあらゆるものの配置、色彩の配合、些細なものの節約や、巧妙な手際や、明敏な眼識や、優れた感覚などで得られた優雅な多種多様さと対照、そういうものはそれ自身としても非常に快いものであると同時に、それの創案者をも非常によく表(あらわ)していたので、ロリー氏があたりを見しながら立っていると、椅子や卓子(テーブル)までが、この時分までには彼にはすっかりおなじみになっていたあの一種特別の表情★のようなものを浮べながら、彼に、お気に入りましたか? と尋ねているように思われるほどであった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...これはまことに明敏な注意である...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...明敏な社会常識と...
戸坂潤 「所謂批評の「科学性」についての考察」
...全体を整然と統一するだけの明敏なる知力を伴っている...
序 豊島与志雄 「ジャン・クリストフ」
...明敏な活力とのぼせ上がった愚蒙(ぐもう)との...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...此の鄭樵といふ人は頭腦の明敏な人であつたと見えて...
内藤湖南 「支那の書目に就いて」
...明敏な瞳をひらき...
長谷川時雨 「下町娘」
...だが僕は、D――の大胆な、思いきった、明敏な工夫力と、彼がその書類を有効に使おうと思うなら常にそれを手近に置かなければならないという事実と、それが総監のいつもの捜索の範囲内には隠されていないという、その決定的な証言とを考えれば考えるほど、――大臣がその手紙を隠すのに、ぜんぜんそれを隠そうとはしないという遠大な、賢明な方策をとったのだということがわかってきたのだ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「盗まれた手紙」
...どちらかの優れて明敏なほうが得ることになる...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...やはり同じやうな心の状態にある人との間に於てのみ可能な事です……明敏なあなたはもう既に私が何を言ひたいと思つてゐるのかお察しになつたでせうね...
水野仙子 「響」
...明敏な頭脳がいつも何物にか饑(う)えている...
森鴎外 「かのように」
...おん身の如く明敏なる人には言葉短くて足りなん...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...明敏な頭脳の持主でありながら...
夢野久作 「暗黒公使」
...あなた独得の明敏な頭脳と...
夢野久作 「一足お先に」
...すなわちその真実の親を区別する霊感の如何に明敏なものであるかという事実を日常に証拠立てているものと認められるのである...
夢野久作 「霊感!」
...白皙(はくせき)明敏な中古代の勇士のような顔をしている参木(さんき)は...
横光利一 「上海」
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