...明敏神のごとき名探偵なるものを廃したことである...
十返肇 「日本推理小説の曲り角」
...日常の事物を把握するに明敏な頭脳は往々にして論理的に無能である場合が見出されるのは少なくない事実である...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...彼は何の遅疑する所なくして議長の椅子に就きたり満場は再び意外の感に打たれたりき何となれば彼れの安詳沈着たる態度明敏果断なる処置は...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...白皙明敏だという感じの風貌の者があったが...
豊島与志雄 「在学理由」
...知力よりもさらに明敏な...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼に必要なのはむしろ、思慮深い、博学な、明敏な、親切な、しかも厳格な、メントールのごとき指導者である――(それはグージャール自身のことを言ったものだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「木村君は、なるほど、才能もあるし、明敏だし、好男子でもあるし、立派な人物かも知れないが、然し、あの香水の匂い……三十男の独身者の香水の匂い、あれだけはいけない……...
豊島与志雄 「食慾」
...此の鄭樵といふ人は頭腦の明敏な人であつたと見えて...
内藤湖南 「支那の書目に就いて」
...最も愛嬌に富んだものゝ一人は小宮山明敏氏である...
平林初之輔 「諸家の芸術価値理論の批判」
...このデリケートな点に関するあまたの説――そのあるものは明敏であり...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「鐘塔の悪魔」
...こんなに鋭い明敏な男に下手な言い逃れは通じない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...やはり同じやうな心の状態にある人との間に於てのみ可能な事です……明敏なあなたはもう既に私が何を言ひたいと思つてゐるのかお察しになつたでせうね...
水野仙子 「響」
...おん身の如く明敏なる人には言葉短くて足りなん...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...肝心な事は動かしようがないものだ……以前は明敏なお方であった...
山本周五郎 「新潮記」
...極めて明敏なる頭脳の所有者にして且つ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...あなた独得の明敏な頭脳と...
夢野久作 「一足お先に」
...白皙(はくせき)明敏な中古代の勇士のような顔をしている参木(さんき)は...
横光利一 「上海」
...ここには航海者ヘンリの如き明敏な組織者はいなかった...
和辻哲郎 「鎖国」
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