...その時計での夜の明け方...
梅崎春生 「狂い凧」
...複雑な機構にしてあるんだ」「あの明け方は...
海野十三 「火薬船」
...夜明け方の鶏(とり)の鳴く音を聞きながら...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...「やあ、がん君ではないか」「ええ、そのがんちゃんでげすよ」「もう帰ったのか、なるほど早いもんだなあ、能書だけのものはあるよ」「へえ、たしかにお使者のおもむきを果して参りました、青嵐親分(あおあらしおやぶん)にお手紙をお手渡しを致して参りました、同時に、あちらの親分からこちらの親分へ、この通り、お消息(たより)を持参いたして参りました」「親分親分言うなよ、人聞きが悪い、ああ、これがその青嵐氏からの返事――十四日亥(い)の時、なるほど早いものだなあ、その足は」「いいえ、もう疾(と)うに、昨夜のうちに、こちらまで参上いたしたんでげすが、つい、御門前がやかましいもんですから、今朝まで遠慮いたしやしてね」「何も昨晩、この門前が格別やかましいこともなかったはずだ――ははあ、あの犬だな、今日の明け方、犬が吠え出したのが不思議だと思ったら、貴様がやって来たんだな、ああ、それでわかったよ、それそれ、それで犬が吠えたんだな、犬がこわくって、今まで近寄れなかったというわけだな、意気地がねえなあ、口と足は達者だが、肝っ玉ときた日にはみじめなものだな」不破の関守氏からこう言ってからかわれたので、がんりきの百は躍起となって、「いや相性(あいしょう)がいけねえんですよ、とかく、犬てえ奴はがんちゃんの苦手でげしてね」「そうだろう、犬に吠えられるような人相に出来ている...
中里介山 「大菩薩峠」
...――この寒い明け方の鶏鳴よ!おゝ...
中原中也 「山羊の歌」
...その上に明け方少しばかり新雪があったりするのが...
中谷宇吉郎 「ウィネッカの冬」
...二十八日の明け方...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...われわれは、夜の明け方まで、死のような眠りにつく、そしてその死のような眠りからさめて、「罐詰(かんづめ)の蓋(ふた)」をあけて、外気を室内に吹き入れしめるときに「ああ、目がさめた」と思う代わりに「よくおれは蘇生(そせい)したものだ」と思うのであった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...かつて申し合わせておりました時刻違えることなくこの夜明け方...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...実にその微(かす)かな音が丘の上の一本いてふの木に聞える位澄み切った明け方です...
宮沢賢治 「いてふの実」
...「もう明け方に近いころだと思われます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「明け方やられたんだね...
山之口貘 「あとの祭り」
...ほんとかえ次郎」「ほんとですとも!」「いつ?」「きょうの明け方――たった今です...
吉川英治 「江戸三国志」
...まだ陸にも川にも往来の少い夜明け方小舟で...
吉川英治 「魚紋」
...これから明け方までに...
吉川英治 「神州天馬侠」
...夜明け方、轡(くつわ)をならべてこの村へはいった各部隊の将星たちが、端(はし)なくも、これからの作戦上に、意見の相違を来して、互いに譲らないためらしい...
吉川英治 「新書太閤記」
...明け方ちかくまで...
吉川英治 「新書太閤記」
...明け方までは寝もしていない...
吉川英治 「新・水滸伝」
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