...まるで明け放したパヴィリオン〔亭(ちん)〕といった形なのだから...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...明け放しな宮廷の寒さを身に覚えながら...
石原純 「アインシュタイン教授をわが国に迎えて」
...廊下への扉は明け放したまゝで使の男の立つてゐるのが見える...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...奥座敷へ続くらしい障子扉(ど)が少しばかり明け放してあるんですが...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...すっかり障子を明け放してある西側の窓から...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...矢張明け放しになっていました...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...その明け放した座敷の電燈が急に点火するときにそれをこっちのベランダで見ると...
寺田寅彦 「人魂の一つの場合」
...硝子戸を一杯に明け放した...
豊島与志雄 「自由人」
...梅雨(ばいう)はこんな風に何時から降出したともなく降り出して何時止むとも知らず引き続く……家中(いへぢゆう)の障子を悉く明け放し空の青さと木葉(このは)の緑を眺めながら午後(ひるすぎ)の暑さに草苺や桜の実を貪つた頃には...
永井荷風 「花より雨に」
...ついには明け放しの門戸を閉鎖して我黄色な顔をいよいよ黄色にするのやむをえざるに至れり...
夏目漱石 「自転車日記」
...障子(しょうじ)を五六寸明け放したまま...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...明け放した唐紙の先に見えて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...遣戸(やりど)などもすっかり明け放してあった...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...ただ裏の戸明け放しありて...
宮崎湖処子 「空屋」
...すっかり家中明け放した庭の暗が気味わるく成って来た...
宮本百合子 「田舎風なヒューモレスク」
...明け放しで頭が冷たすぎて何か気分がよくないのではないでしょうか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ここまで明け放しで迫つてくることも...
室生犀星 「はるあはれ」
...水口を明け放していったのではないか」「いいえ...
山本周五郎 「新潮記」
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