...明くる日の朝は、先ず広沢の池のほとりへ行って、水に枝をさしかけた一本の桜の樹の下に、幸子、悦子、雪子、妙子、と云う順に列(なら)んだ姿を、遍照寺山を背景に入れて貞之助がライカに収めた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...しかし結局こんな事から出入りをしなくなってくれたらいい塩梅(あんばい)だと思っていたのに色男を台無しにされては素直にあきらめきれなかったものかまた明くる日からずうずうしくも平気で稽古にやって来たのでそれならば本気で叩(たた)き込(こ)んでやる真剣の修業に堪(た)えるなら堪えてみよとにわかに態度を改めてピシピシと教えた...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...明くる日どうかと思いながら三越へ連れて行ってやると...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...明くる日の夕方電話が懸って...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...その明くる日から...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...たしかその明くる日の午後...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...明くる日一日睨(にら)み合いつづけて...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...ところがその明くる日...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...明くる日はとても働けませんもの」下女は自分より猫の方が上等な動物であるような返事をする...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...そして夜の更(ふ)くるも――いや夜の明くるも忘れて...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...「そればかりではありません、その十一人の婦人方のヴェールを取ったところで、皆様の投票によって、今宵の話の選手の等級を定め、夜の明くるまで、乱舞の大狂宴を開くのであります」「その話の選手は僕に――」「いや、私が第一番に」五六人競い立つのを、「いや、暫らくお待ち下さい、お話となると、何時(いつ)も同じ顔触れになって、甚だ興が薄いので、今夜は話し手を私から指名させて頂きます、――若くて、ロマンティックで、恋の為には、今直ぐ此場でも死んでくれそうな純情の青年達、その中から先(ま)ず、第一番に佐々村村一君を選びました」波のような会場の空気を揺る拍手に送り迎えられて、茶谷会長が着席すると、青年佐々村村一君が、隣の席から起ち上りました...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...明くる朝そっと、平二郎の家の勝手口へ来て、済まないがお米を少し貸してくれ、と云った...
山本周五郎 「青べか物語」
...二明くる日、かれは支度を改めて竹隈をおとずれた...
山本周五郎 「新潮記」
...九明くる年の三月...
山本周五郎 「その木戸を通って」
...明くる日おなつから詳しく身の上を聞きながら...
山本周五郎 「契りきぬ」
...その祝宴の明くる日...
山本周五郎 「初蕾」
...明くる日、万三郎は川俣の渡し場から、舟で利根川を下り、午(ひる)ちょっと過ぎに関宿(せきやど)へ着いた...
山本周五郎 「風流太平記」
...明くる朝はやく、――若夫婦が狭い庭に立っていた...
山本周五郎 「風流太平記」
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