...そとを歩く時はいつも明き間を心がけてゐるに拘らず...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...」義雄は先づその大泊(おほどまり)から明き屋を買ひ初め...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...この壺の蓋も明きません...
海野十三 「俘囚」
...此の後は埒明き可申候」文中の衣服云々は...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...自分も同じ暗黒世界に身を置くことがこの上もなく楽しかった後に公然と稽古することを許可されてからもこいさんと同じにしなければ済まないと云って楽器を手にする時は眼をつぶるのが癖(くせ)であったつまり眼明きでありながら盲目の春琴と同じ苦難を嘗(な)めようとし...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
......
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...どこにどんな鳥がいるのか明き盲の自分にはちっとも見えない...
寺田寅彦 「鴫突き」
...第三のになると降りる人の降りたあとはまるでがら明きの空車になる事も決して珍しくない...
寺田寅彦 「電車の混雑について」
...またたとい目明きでも...
寺田寅彦 「夏の小半日」
...それから兄貴へ「あの一件も困つたものだな」といふと「困つたものですよ」といふから「お前もあゝして二人を引きつけて置くのでは迚ても埓明きやうはないからお前もおすがを捨てることにしてそれで他から拾ふといふことにしたらどうにか示談が出來相なものだと思ふがどう考へて居る」斯ういふと「わしは決してうちへは寄せねえといつたんでがす...
長塚節 「芋掘り」
...目明きのお糸が聞き付けた曲者の足音を聞かなかつた筈はありません」「――」「この通り目を開いたつ切りで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...手前(てめえ)の智慧でも埒(らち)が明きさうだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...眼鼻は明きませんよ」ガラツ八は頸筋(くびすぢ)を掻いたり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...どうでも死なれぬ世に生中(なまなか)目を明きて過ぎんとすれば...
樋口一葉 「ゆく雲」
...悪い性根の年(ねん)の明き時」をちよぼに預け...
三木竹二 「いがみの権太」
...いまにも穴が明きさうだ...
宮沢賢治 「秋田街道」
...明きたる新聞の細長き板ぎれに挿みたるを...
森鴎外 「舞姫」
...年も三十過ぎだし容貌(きりょう)も悪いが心だては目明きにない正直さだった...
吉川英治 「松のや露八」
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