...景気づいたから手明きの挽子どもを在りったけ呼(よん)で来た...
泉鏡花 「婦系図」
...あの明き屋買ひ占め問題は駄目だ」と云つて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...幕明きには下男がゐる...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...(十一月三日)或る朝の印象あゝ朝どの家々もがら明きのやうに靜かだ皆んな何處かへ行つて仕舞つたのでは無いか亂雜に家々ばかりが蜘蛛の居ない巣のやうに澤山空に向つて淋しく竝んで居る...
千家元麿 「自分は見た」
...いささか目鼻が明き...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...自分も同じ暗黒世界に身を置くことがこの上もなく楽しかった後に公然と稽古することを許可されてからもこいさんと同じにしなければ済まないと云って楽器を手にする時は眼をつぶるのが癖(くせ)であったつまり眼明きでありながら盲目の春琴と同じ苦難を嘗(な)めようとし...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...このあひるはやはりだれもいない明き家のヴェランダの前へ来て...
寺田寅彦 「沓掛より」
...第三のになると降りる人の降りたあとはまるでがら明きの空車になる事も決して珍しくない...
寺田寅彦 「電車の混雑について」
...大学の方は明きがなかった...
徳田秋声 「足迹」
...明き盲ですからね...
徳田秋声 「黴」
...四幕目、誘惑(いざない)の魔の岩屋にて、目くるめく遊仙窟の舞台、妙(たへ)なる楽の音につれて現れ出し時、君は、明き灯の下に、あまた居並び、横りたる妖女の頭に立ち給ひき...
永井荷風 「舞姫」
...手前(てめえ)の智慧でも埒(らち)が明きさうだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お玉は日が暮れると身體が明きます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...話は思ひの外簡單に埒(らち)が明きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...驚いて目をポッチリ明き...
二葉亭四迷 「平凡」
...明きの方ということは雷さまの年を越した方角のことで...
柳田国男 「雪国の春」
...ただ幕明きの老公爵夫婦のベッド・ルウムの描写は素晴しかった...
山本周五郎 「青べか日記」
...その月いっぱいで江戸番が明き...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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