...そこから出たところの明き地を前々から安く借りて...
岩野泡鳴 「猫八」
...「二等室には明きがなかつたから」と...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...いささか目鼻が明き...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
......
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...これらは一種の愛嬌であって春琴を讃(たた)える意味にこそなれ侮(あなど)る心ではなかったけれども遊里の悪洒落(わるじゃれ)に馴(な)れない春琴は余りよい気持がしなかったいつも眼明きと同等に待遇(たいぐう)されることを欲し差別されるのを嫌ったのでこう云う冗談は何よりも癇(かん)に触った...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...またたとい目明きでも...
寺田寅彦 「夏の小半日」
...大工の方は四軒建てて四軒とも明きがなかった...
徳田秋声 「黴」
...明き盲ですからね...
徳田秋声 「黴」
...幕明き前のざわつく廊下を小股(こまた)にせかせか歩きながら...
徳田秋声 「縮図」
...その間のちょっとした穴明きの所在に...
中里介山 「大菩薩峠」
...生徒の時間に明きが出来て...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...目明きのお糸が聞き付けた曲者の足音を聞かなかつた筈はありません」「――」「この通り目を開いたつ切りで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...目明きの按摩じゃ流行(はや)らねえから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お玉は日が暮れると身體が明きます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一六「ハ、ハ、ハ、広海屋――それから、手代衆、これだけ大きな篝火(かがりび)を焚(た)いてやっても、家庫を焔にしてやっても、この明るさでも、わしが判らぬか? わしが誰だか、わからぬか?」と、長崎屋は、歪み曲った顔を突き出すようにして、「さてさて、明きめくら、このわしが、わからぬかといったら!」ぐっと、差しつけるようにした、その形相のすさまじさ!広海屋は、飛びしさるようにして、「おッ! おのれは、長崎屋!」「ほんに、長崎屋の旦那じゃ――こりゃ、又、どうしたこと!」と、手代、小僧も、あっ気に取られる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...目明きの人が目で見るのと同じように...
宮城道雄 「触覚について」
...懐手のまま後(あと)ずさりして玄関の戸の三寸ばかり明きたるところより...
柳田国男 「遠野物語」
...いッそ一人で歩きつければ、今に、目明きよりは、よう見えて来るはずだぞよ」経書(けいしょ)の講義、禅のはなし、きびしい中にも慈愛をもって、授けてくださる...
吉川英治 「私本太平記」
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