...ほんたうに――いくら明き巣狙ひぢやないと云つたつて...
芥川龍之介 「お富の貞操」
...「しばらくお待ちなさって――二階がすぐ明きますから」「お客さんか...
岩野泡鳴 「耽溺」
...「二等室には明きがなかつたから」と...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...幕明きには下男がゐる...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...自分も同じ暗黒世界に身を置くことがこの上もなく楽しかった後に公然と稽古することを許可されてからもこいさんと同じにしなければ済まないと云って楽器を手にする時は眼をつぶるのが癖(くせ)であったつまり眼明きでありながら盲目の春琴と同じ苦難を嘗(な)めようとし...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...眼明きは眼の用を知らない...
寺田寅彦 「柿の種」
...どこにどんな鳥がいるのか明き盲の自分にはちっとも見えない...
寺田寅彦 「鴫突き」
...普通なら年明きの娘も資力のある婿を持たせたいというのだが...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...その間のちょっとした穴明きの所在に...
中里介山 「大菩薩峠」
...こういう事は郵便じゃとても埒(らち)は明きませんよ...
夏目漱石 「こころ」
...手前(てめえ)の智慧でも埒(らち)が明きさうだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お玉は日が暮れると身體が明きます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...困っているのを目明きが見て喜んでいたという話があるが...
宮城道雄 「昔の盲人と外国の盲人」
...紺屋の物干す料なる広く明きたる地のあれば...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...明きの方から」という問答の後に...
柳田国男 「雪国の春」
...「死んだおやじは明きめくらだったから...
山本周五郎 「さぶ」
...江戸番や番明きの延びる例は少なくありませんからね」「御老職はかくべつでございましょう」「そうでしょうか」と云って...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...芝居茶屋もブル階級には見得と便利と半分半分、身のまわりを一切預けて幕開きまでは座敷で一服、へい、明きます、と出方のお迎え、食事の世話からお手水の催促までうるさいほど行き届く...
山本笑月 「明治世相百話」
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