...もっともその惚方――愛――はですな、兄妹(きょうだい)のようか、従兄妹(いとこ)のようか、それとも師弟のようか、主従(しゅうじゅう)のようか、小説のようか、伝奇のようか、そこは分りませんが、惚れているにゃ違いないのですから、私は、親、伯父、叔母、諸親類、友達、失礼だが、御媒酌人(おなこうど)、そんなものの口に聞いたり、意見に従ったりするよりは、一も二もない、早手廻しに、娘の縁談は、惚れてる男に任せるんです...
泉鏡花 「婦系図」
...道節も宝刀を捻(ひね)くり廻して居合抜(いあいぬき)の口上のような駄弁を弄(ろう)して定正に近づこうとするよりもズドンと一発ブッ放した方が余程早手廻しだったろう...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...女王はもっと早手まわしだった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...手紙の都度『ティヴォリ』遊園のことで早手まわしに色々と指図をしてよこした...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「可愛い女」
...早手廻しといおうか...
中里介山 「大菩薩峠」
...一隻の早手(はやて)がありまして...
中里介山 「大菩薩峠」
...せめてもの幸いとしなければなりません」早手は早くも竹生島の前面をかすめ去って...
中里介山 「大菩薩峠」
...この早手の中の対坐の客は...
中里介山 「大菩薩峠」
...最早手の下しやうはありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...宗次郎の幽澤(いうたく)坊主を縛つて行きましたよ」「恐ろしく早手廻しだね」「すると――あんな汚ない坊主の何處が良いか知らないが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そして早手廻しに紅葉(もみぢ)見物のことを考へてゐる時分のことでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そして早手廻しに紅葉見物のことを考えている時分のことでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...明日の早手廻しよ...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...さういふ句に飽きたる我らは最早手料理といふ語を聞いたばかりにて月並臭気を感ずるやうになれり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...それからあの柔和な教員の早手廻しに対する見せしめのようなもの...
松永延造 「職工と微笑」
...前表もこのように早手廻しではかえって間に合わぬ...
南方熊楠 「十二支考」
...張番の男を締めあげて問いただしてみる方が早手廻し――と急いでそこを飛びだしてくる...
吉川英治 「江戸三国志」
...左様に早手廻しはないはずだ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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