...わたしから申しておくほうが早手回しですわね」と葉子は半分皮肉な半分まじめな態度で...
有島武郎 「或る女」
...もっともその惚方――愛――はですな、兄妹(きょうだい)のようか、従兄妹(いとこ)のようか、それとも師弟のようか、主従(しゅうじゅう)のようか、小説のようか、伝奇のようか、そこは分りませんが、惚れているにゃ違いないのですから、私は、親、伯父、叔母、諸親類、友達、失礼だが、御媒酌人(おなこうど)、そんなものの口に聞いたり、意見に従ったりするよりは、一も二もない、早手廻しに、娘の縁談は、惚れてる男に任せるんです...
泉鏡花 「婦系図」
......
伊良子清白 「孔雀船」
...二節を引いて記述する間緩(まだる)こい真似(まね)をするよりは手取早(てっとりばや)く渠らの生活の十分現れてる松岡緑芽(まつおかりょくが)の挿画を示すが早手廻(はやてまわ)しである...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...」「怖(おそろ)しく早手廻しだな...
薄田泣菫 「茶話」
...女王はもっと早手まわしだった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...今度はエセックスのほうが早手まわしだったのである...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...早手廻しに笹の立った通りなどもあった...
徳田秋声 「足迹」
...最早手後れになって居た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...早手廻しといおうか...
中里介山 「大菩薩峠」
...この早手の中の一人が言いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...せめてもの幸いとしなければなりません」早手は早くも竹生島の前面をかすめ去って...
中里介山 「大菩薩峠」
...この早手の中の対坐の客は...
中里介山 「大菩薩峠」
...早手廻しの夫婦約束までしたといふことや...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そして早手廻しに紅葉(もみぢ)見物のことを考へてゐる時分のことでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そいつは早手廻しだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...飛んだ早手まはしをしてしまつたものだ...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...自分で買つて来たと云つてゐたあの浅黄木綿で早手廻しな生着でも縫つて居るだらう...
牧野信一 「白明」
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