...持ち來れ、人に知られで、枯れて行く、春早咲きの櫻草、房にも群るゝ蔦の花、色青白の茉莉花(まつりくわ)や、白き石竹又はかの黒斑(くろまだら)なる遊蝶花、かゞやく菫、白さうび、裝ひあつき、忍冬(すひかづら)、垂るゝ頭(かうべ)に、物おもふ、色青ざめし、金盞花、とりてあつめて悲しげに、かざりよそほふ、花のなべてを...
ジョン・ミルトン John Milton 上田敏訳 「リシダス」
...庭の早咲きの花が...
太宰治 「ろまん燈籠」
...早咲きの椿(つばき)はわずかに赤く花を見せたばかりで...
田山花袋 「田舎教師」
...あまつさえ古銅瓶(へい)に早咲きの梅一両枝趣深く活(い)けたるは...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...早咲きの花菖蒲(はなしょうぶ)の活(い)けられし床を後ろに...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...病室には早咲きのシクラメンがあった...
原民喜 「滑走」
...早咲きの桃の花とでも言いましょうか...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...この無趣味索然たる建築場の中に高価な早咲きの洋瞿麦(カアネーション)が落ちているなど...
久生十蘭 「魔都」
...さながら早咲きの紅薔薇ででもあるかの如くに...
久生十蘭 「魔都」
...早咲きの椿を十二月に見る事は作者に取つては嬉しいことなのである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...荻窪の釆花荘には直ぐ窓際に早咲きの紅梅があつて一月頃にはもう咲く慣はしであつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...あまりの好晴(ひより)に気の狂った早咲きの柘榴(ざくろ)と見える――江碧島逾白(えみどりにしまいよいよしろく)...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...早咲きの梅か何かいい匂いの花の枝が揺れて居りますね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...早咲きの桜は咲いていて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...――そして早咲きの草花がもう目についた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...早咲きの梅を見ながら歩いてきた吉宗...
吉川英治 「江戸三国志」
...早咲きにござりますが...
吉川英治 「江戸三国志」
...短命な花の早咲きであったのか...
吉川英治 「剣の四君子」
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