...故人を偲(しの)ぶ旧観の片影をだも認められない...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...馬琴の旧棲(きゅうせい)は何度も修繕されて殆(ほと)んど旧観を喪(うしな)ってるから...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...従来の「資本主義工業」の旧観念によって貫かれていたものだ...
戸坂潤 「読書法」
...家庭の旧観念に私が囚われていたからではないか...
豊島与志雄 「新妻の手記」
...旧観を更めていたのに驚いた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...震災の後上野の公園も日に日に旧観を改めつつある...
永井荷風 「上野」
...観音堂が一立斎広重(いちりゅうさいひろしげ)の名所絵に見るような旧観に復する日は恐(おそら)くもう来ないのかも知れない...
永井荷風 「草紅葉」
...大都の康荘(こうそう)は年々面目を新にするに反して窮巷屋後(きゅうこうおくご)の湫路(しゅうろ)は幾星霜を経るも依然として旧観を革(あらた)めず...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...旧観念と片付けてしまえば...
中谷宇吉郎 「六三制を活かす道」
...殊に彼の大震災後は急速な勢で旧観を破り新に発展し行く勢はスザマシイものである...
牧野富太郎 「植物記」
...このとき宮戸座はその古風にも哀しく美しかつた旧観を失ひつくして...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...私の育成の地浅草花川戸界隈も同じくこのとき悉く旧観を失つて...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...震火ののちは東武電車ガード下に編入されて全くに旧観を失ひつくし...
正岡容 「巣鴨菊」
...名所・名物五大橋時代の旧観文化に追われた橋詰風景五大橋といった大川筋の橋々...
山本笑月 「明治世相百話」
...御着の城も個々の運命も支(ささ)えてゆけないと思いつめている老臣たちの頑固な旧観念と妄動(もうどう)を愍(あわ)れまずにいられなかったのである...
吉川英治 「黒田如水」
...そしてその旧観念と...
吉川英治 「新書太閤記」
...読者の持っている旧観念の偶像を...
吉川英治 「随筆 新平家」
...太閤時代の旧観にさらに鉄壁の威厳を加えて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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