...そこには重い舟日覆(ふなひおい)がある...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...日覆をはためかすのは...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...申(なな)ツ半時分だと露天(みせ)の日覆(ひおい)の影もそう長くは延びていない頃だのに...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...窓のすぐ下は日覆の葭簾に遮られてゐるが...
心猿 「荷風翁の發句」
...処々より雪かこひの丸太あるひは雪垂(ゆきたれ)とて茅(かや)にて幅八九尺広(ひろ)さ二間ばかりにつくりたる簾(すだれ)を借(かり)あつめてすべての日覆(ひおひ)となす...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...日覆(ひおおい)に松の落葉の生れけり大正十二年六月二十八日 風生渡欧送別東大俳句会...
高浜虚子 「五百句」
...月見までまだ日数あり葭日覆(よしひおい)だしぬけに吹きたる風も野分(のわき)めき九月十四日 笹鳴会...
高浜虚子 「六百句」
...もう例年のように葭簀張(よしずばり)の日覆いが出来ていた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...甲板に張られたカンヴァスの日覆の下で...
中島敦 「環礁」
...汽船は日覆の布の上から煙を遙か後の波の上に吐き落しながらずん/\と進行する...
長塚節 「旅の日記」
...片方は塀を廻らした家や格子のある家が並んでゐてそのなかに一軒カーキー色の日覆を張つた雑貨店があつた...
原民喜 「潮干狩」
...その三つならんだ入口の一番左側には空箱に紫いろのケールやアスパラガスが植えてあって小さな二つの窓には日覆ひが下りたまゝになってゐました...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...その三つならんだ入口のいちばん左側(ひだりがわ)には空箱(あきばこ)に紫(むらさき)いろのケールやアスパラガスが植(う)えてあって小さな二つの窓(まど)には日覆(ひおお)いがおりたままになっていました...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...前部甲板の日覆(ひおひ)の下には...
宮原晃一郎 「怪艦ウルフ号」
...向う側のカフエの赤と白との日覆と青塗の植木の鉢とがやっと見えるような街でした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...触ればぼろぼろ崩れそうな灰色の鎧戸に新しい黄色な日覆をつけた窓窓も...
横光利一 「旅愁」
...たゆたう光の群れよる街角に洋傘のような日覆が赤と黄色の縞新しく...
横光利一 「旅愁」
...仮装舞踊会のように私は日覆(ひお)いして夜の明けるのを待ったのだが...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??