...「日盛りは暑いからどこぞでお休みなさいましね...
有島武郎 「或る女」
...日盛りのあるかないかの風にも...
薄田泣菫 「石竹」
...この頃の日盛りに近所の問屋(とひや)へ荷役(にやく)に来る馬子(まご)が...
薄田泣菫 「茶話」
...「ほう、日輪草というだね」「この花は、日盛りに咲いて、太陽が歩く方へついて廻(まわ)るから日輪草って言うのさ」熊さんはもう嬉(うれ)しくてたまりませんでした...
竹久夢二 「日輪草」
...私はZ町まで用があって日盛りの時刻に出掛けて行った...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...鶴子はホテルを出て梅雨晴(つゆばれ)の俄に蒸暑くなった日盛りをもいとわず...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...十一月×日午後の日盛りに私は独りでアピア街道を歩いていた...
中島敦 「光と風と夢」
...しかし高知の日盛りのことであるから...
中谷宇吉郎 「桂浜」
...ある夏の日盛りに...
夏目漱石 「門」
...せめて暑い日盛りを義父さんが...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...五月の日盛りの空はぼうとして...
平出修 「計畫」
...金魚イ」売声のまくらで落語家がよくやるハタと人足絶えた旧東京の日盛りの街々をおもはせてなつかしい...
正岡容 「下町歳事記」
...蒸暑い日の日盛りに...
森鴎外 「カズイスチカ」
...平右衛門町へ帰ったのは日盛りのいちばん暑い時刻だった...
山本周五郎 「柳橋物語」
...日盛りの蝉の声々が大海原の暴風を思わせる村の四方の山々を通抜ける幾筋もの小径を基線にして...
夢野久作 「巡査辞職」
...七月の暑い日盛り頃...
吉川英治 「剣の四君子」
...日盛りともなれば...
吉川英治 「新書太閤記」
...今思うと――この夏、暑い日盛りを、泉州堺(さかい)の小林太郎左衛門の店先を、脇目もせず、港の方へ歩いて行った旅の女は――あの折、伊織が後ろ姿をチラと見た女性は――やはり彼女であったかも知れないのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
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