...鶏頭ばかり根の土にまで日当りの色を染めた空を...
泉鏡花 「薄紅梅」
...日当りのせいか、気のせいか、ひところよりも黄色さが減っているようにも思われた...
梅崎春生 「黄色い日日」
...応接室だろうか、日当りはいいが、窓掛(カーテン)も何もない、頗る殺風景な部屋で、粗末な卓子(テーブル)と椅子が二三脚あるばかりだ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「黒猫十三」
...冬ぬくし日当りよくて手狭(てぜま)くて十一月十八日 物芽会...
高浜虚子 「六百句」
...………おまけに此方側は日当りが悪くって不都合なんでございますが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...日当りの悪い六疊になっている...
豊島与志雄 「条件反射」
...日当りのいいぱっと明るい二階家だった...
豊島与志雄 「生と死との記録」
...昼の日当りと夜の点灯との不完全...
豊島与志雄 「バラック居住者への言葉」
...悠々と日当りのよい拝殿の庭へ下りて来て...
中里介山 「大菩薩峠」
...ツイその日当りのよい縁先へ...
中里介山 「大菩薩峠」
...日当りの好さそうな所へ気楽に胡坐(あぐら)をかいて見たが...
夏目漱石 「門」
...日当りのいい所に大きな机が据(す)えてある...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...日当りの具合からしてだいぶ違いそうです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...日当りのよい処に生えている者は暗褐色を呈しているが日蔭げの場処に在る者は緑色である...
牧野富太郎 「植物記」
...これまでの柏木の家は日当りわるく不健康なので世田ヶ谷へこしました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...著者はアテの方のアテは日当りの「当り」に基くとする者のようである...
柳田國男 「地名の研究」
...日当りのいい、人糞に遠い、という条件の処に一つの平石を見つけて、腰をかけて、杉の木に倚りかかりながら居ねむりを始めた...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...小壺(こつぼ)(中庭)のうちの日当りわるい一室に尊氏はもう坐っていて...
吉川英治 「私本太平記」
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