...東軍の旗幟既に雲霞の如く...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...彼は盗まれた名画の行方について既に何か聞きこんで居るのではないかと思ったので...
海野十三 「すり替え怪画」
...既に深く根を下していたのかも知れない...
大阪圭吉 「寒の夜晴れ」
...既に園子さんに対して非常な譲歩してるのんです」いうて...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...小さな結燈臺が既に明るく點されてあつた...
田山花袋 「道綱の母」
...与えられた紙幅が既に尽きたから...
寺田寅彦 「学位について」
...アテーネー――既にこの事望みたる神女勇みて颯爽と...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...而もヅーフは既に五通詞をして「祕密に與かれるもの」としてゐるのである...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...既に死んではいたがユルティムという弟を持っていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...式場は既に整っていた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...もう既に何度も築島を試みたからには...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...既に叔母の意見に背く事が出来れば...
二葉亭四迷 「浮雲」
...是等の発達は十九世紀の後半に於て成遂げられしものにして既に吾人の常識的事実となりしものなり...
牧野信一 「痴想」
...「それ故に意識はもともと既にひとつの社會的な生産物である...
三木清 「歴史哲學」
...既によんだものによって与えられている...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...早く既に躋寿館(せいじゆくわん)に勤仕してゐたと云ふ事が其一である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...實相既にかくの如くんば...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...それを作り出す物憂げな長々とした方法を既に過去の道だと云ひ切るなら...
柳宗悦 「赤絵鉢」
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