...おん身の車には既に幾位(いくたり)の客人をか得給ひしと問へば...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...そうすると既に三升ほどの酒が皆の腹中に分れて入っているわけだが...
梅崎春生 「風宴」
...既に知られるとおり船形も殆んど崩れず...
海野十三 「地球発狂事件」
...既(も)う一廉(かど)の鑑定家といつて可(い)い...
薄田泣菫 「茶話」
...家主の方で夫婦の風體をつく/″\見て既に先約があるなどゝいつて斷つたりなどするので一軒も探し當てずに歸つて來たのである...
高濱虚子 「俳諧師」
...例えば三六年六月十九日の北海道に於ける皆既食観測というようなそれ自身一つの社会的事件ででもある場合を除けば...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...既ニシテ門ニ入リ名刺ヲ出ダス...
中島敦 「斗南先生」
...私の読んだのは改造社版の全集であるから既に作者の手で厳選を経た沙金のやうなものであつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...既に醜美の判断を得たり...
福沢諭吉 「日本男子論」
...警察が既に通知しているが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...今や既に単なるチヤンバラでは観客の歓心が買ひ難くなつてか...
牧野信一 「真夏の朝のひとゝき」
......
槇村浩 「英雄ナポレオン」
...この時代精神がそれの生命に於て外に向つては既に謂はば自己を汲み盡した段階に達したとき初めて...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...そうだとしても、そう言う考えをも含めて、それがもう既に、そのもう一方の側の戦力の一部分に組み込まれている...
三好十郎 「冒した者」
...その中の一人は既に死亡していた...
三好十郎 「肌の匂い」
...この章では既に第一巻第十四...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...が、その夜その一つの船から奔流の底へ巻き込まれた彼は、既に、しっかりと、生命を意識している人ではなかった...
吉川英治 「剣難女難」
...まさか野良犬が咥(くわ)えて行ったのでもあるまいがというので色々調べて見ましたら既に車庫に廻されていたその轢いた電車の車輪の一つを...
蘭郁二郎 「穴」
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