...寺は既に全然滅び...
芥川龍之介 「北京日記抄」
...彼の現實乃至具象の世界は既に吾人の知覺をすら逸してゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...秋も既う末――十月下旬の短かい日が...
石川啄木 「赤痢」
...正木はこれまでに既に世間の辛酸を十分に甞めて来てゐた...
田山録弥 「船路」
...既に交通(こうつう)の途(みち)開(ひら)け居たりとすれば...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...既成政黨の言動を論じて...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...或は既に枯死したる街路樹の幹に札を下げて樹木の愛すべきを説きたるが如き滑稽なるものもある...
永井荷風 「十年振」
...此時は既に僕の心には彼等の疑ひを心から打ち消す資格はなかつた...
長塚節 「開業醫」
...あんたは既に選んでるんだな...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...能力の観念を産み得る既知の性質も無いので...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...既に純粋な探偵小説作家として一家をなし...
平林初之輔 「現下文壇と探偵小説」
...なし得ぬうちから既に與へられてゐる...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...既に申し上げたようにグレイ氏が三日前にベルリンを発ち...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...費用などは既に合格して……」「条件は一瞬も疑ったことはないぞ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...自分はもう既に死んでいるので小さき早桶の中に入れられておる...
正岡子規 「死後」
...既成の大きい力・多数の力ということを強調するならば...
宮本百合子 「現代史の蝶つがい」
...何も知らぬ腹の中の児(こ)迄が世に出ぬ先から既に着るべき物を剥(は)がれて行(ゆ)くのが母親の心に何(ど)れ丈悲しい事であらう...
與謝野寛 「執達吏」
...しかし私が既に利潤の問題について述べた所から...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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