...病既に膏盲(かうまう)に入る...
芥川龍之介 「骨董羹」
...漸く三十になつたばかりの私にも既に「過去」と云ふものがあることを思はせた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...『君は既う先に行つたのかと思つてゐた...
石川啄木 「札幌」
...既に園子さんに対して非常な譲歩してるのんです」いうて...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...これは既に人々が熟知している所である...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...自然は既に明かに独自の性格を具えているが...
豊島与志雄 「台湾の姿態」
...然しそこには既に...
豊島与志雄 「守宮」
...既に通ってきた恐ろしい道程を繰り返すには...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...荘子(そうし)既に塗抹詩書(とまつししょ)の嘆(たん)をなせり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...自分が既に雑誌へ出したものを再び単行本の体裁として公にする以上は...
夏目漱石 「『吾輩は猫である』上篇自序」
...堤防が到る所に築かれてあることは既に述べたが...
野上豊一郎 「レンブラントの国」
...郵便で銀行紙幣を送る場合は郵便書留にします」検死官「郵便局員が手がかりを与えるかも知れません」警部補「既に召喚しております...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...いまから既にこの鳥が飛び去つて行く後をおもふと...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...小説「眠い一日」を書いてから既に春は去つて夏となつてゐたが...
牧野信一 「眠い一日」
...は既に其の以前に於て多少印度の状態が知れて居つたからであらう...
松本文三郎 「世界に於ける印度」
...そこに既に酔つて延びてウツラウツラとしてゐる区長の鼻づらを舐めてゐる...
三好十郎 「おスミの持参金」
...しかし大體を論ずれば眞志屋は既に衰替の期に入つてゐると謂ふことが出來る...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...最初に妹がいって見て、どうも様子が変なので、頓狂(とんきょう)な声を出したんだから、そばにいた学生が馳つけて、脈をみると、既に止っている...
蘭郁二郎 「鱗粉」
便利!手書き漢字入力検索