...去る十七年の夏、偶事に因て出京せるを幸い、平素(ひごろ)の欲望(のぞみ)を達せん事を思い、旅寓に投じて、行李を卸すや否や、先ず主人を呼で二氏の近状を問う...
宇田川文海 「松の操美人の生埋」
...家産を蕩尽(とうじん)した後一生を旅寓に送った奇人である...
永井荷風 「向嶋」
...嫌疑あり之を糺すと彼れ三吉と誰何して薩藩士の旅寓に無礼する勿れと叱す...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...一日(あるひ)磯山(いそやま)より葉石(はいし)の来阪(らいはん)を報じ来(きた)り急ぎその旅寓に来れよとの事に...
福田英子 「妾の半生涯」
...木賀の松坂屋は其旅寓である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...旅寓は「夷川町染物屋の別宅」であつたと云ふ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...柏軒先生京師旅寓より...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...柏軒が京都の旅寓に病んだ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...主筆はわざわざ我旅寓(わがりょぐう)を訪(と)われたので...
森鴎外 「鴎外漁史とは誰ぞ」
...大阪の旅寓でこんな辞世をのこした...
柳田国男 「故郷七十年」
...復(また)談笑なく孤客の旅寓(たび)に宿泊するが如し――或は復(また)...
吉川英治 「宮本武蔵」
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