...葉子が息気(いき)をつめてそれ以上をどうしても迫る事ができないと断念するほど重苦しいものだった...
有島武郎 「或る女」
...それでもまだ逃げることを断念する訳にゆきませんでした...
伊藤野枝 「嫁泥棒譚」
...さればとて自己の意見を以てことごとく信憑(しんぴょう)すべからざるものと断念するもまた弱志病意の徴候なり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...われわれは敵をあなどりすぎていた」「断念するというのですか...
海野十三 「海底大陸」
...断念するとともに今まで先輩に相談していた女のことが意識に登って来た...
田中貢太郎 「蟇の血」
...出来れば奥畑が自発的に断念するように仕向けること...
谷崎潤一郎 「細雪」
...断念する気にはならぬので必ず行くという決心はなかったがしかたなく駅路(うまやじ)の...
近松秋江 「狂乱」
...とうとう断念する...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...プロピライト道のほうは断念するのほかはなく...
久生十蘭 「地底獣国」
...残念ながら全く断念することの止を得ないのを認めた...
牧野富太郎 「利尻山とその植物」
...私のためには起草を断念するほどの必要にもならないのであった...
三上義夫 「数学史の研究に就きて」
...断念することをほんとに知っている者のみがほんとに希望することができる...
三木清 「人生論ノート」
...何物も断念することを欲しない者は真の希望を持つこともできぬ...
三木清 「人生論ノート」
...そちらへ行くのをやむなく断念することにしましたが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...始めから雀が断念するように...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...断念するほかなかった...
吉川英治 「親鸞」
...断念するも遺憾(いかん)であると思い...
吉川英治 「源頼朝」
...真っ先に断念する...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
便利!手書き漢字入力検索