...部落の交際を彼れが断つたのに対しては非常な批難がありました...
伊藤野枝 「火つけ彦七」
...「どうかしたかね」かう断つて開けて見たが...
犬養健 「愚かな父」
...お盆にでもなれば何ぼか貰ひがありませうが」と断つてゐる...
高村光太郎 「気仙沼」
...自動車に乗ることだけは断つて...
種田山頭火 「行乞記」
...その生命すらこれを屠(ほふ)り、これを断つ...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...もし自分が関係を断つような事があっても女の方では別に名残惜しいとも何とも思わないように見える事である...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...然し自分は断つて置く...
永井荷風 「虫干」
...その根を断つにあらざれば葉は枯れない...
中里介山 「大菩薩峠」
...蘆葉(ろえふ)断つ遼東の小児...
中里介山 「大菩薩峠」
...一度ならず二度迄も信者からの縁談を彼の女が断つた真の理由を知つてゐるものは唯弟の吉三郎のみであつた...
長與善郎 「青銅の基督」
...さむらいものの退路を断つような構えになっている...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...様々な口実をつくつて断つた...
牧野信一 「或る日の運動」
...自然が人間の心情に幾重にもかたく巻きつけたこれらの絆を断つよりもむしろ繋ぎとめておくために苦労するのは害悪ではないのであろうか...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...工藝はその命脈を断つであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...なおその様式に対する愛慕の情を断つことを得ないのであった...
柳田国男 「雪国の春」
...禍の根を断つために...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...よろしく禍いの根を断つこそ急務と思われます」曹操は左の手を胸に当て...
吉川英治 「三国志」
...いつまでも執着を断つことができない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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