...切れ切れな言葉で葉子と最後の妥協を結ぼうとする病床の母――その顔は葉子の幻想を断ち切るほどの強さで現われ出た...
有島武郎 「或る女」
...それ等のすべてを同時に断ち切るというようなことをして後悔をするようなことは...
伊藤野枝 「「別居」について」
...無用の他になんの値うちもない伯父とのつながりを断ち切ることに心をきめ...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...彼らを縛ってる鎖を断ち切るために...
高見順 「いやな感じ」
...結局のところは過去のきずなを断ち切るだけのことではないか...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...其の絆(きずな)を断ち切るまでに...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...たとえば月を断ち切る雲が...
寺田寅彦 「映画芸術」
...そうした因縁を断ち切るのは...
徳田秋声 「仮装人物」
...断ち切るようにこういった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...首を縊る……毒を飲む……頸動脈を断ち切る……頭か心臓かに拳銃を打ち込む……然しどれも面白くなかった...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...私の心をここにつなぎとめ釘(くぎ)付けにしこびりつかせてる綱を断ち切ることと...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...哨楼を縛りつけている革紐を断ち切る...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...断ち切ることも不可能であることを...
中里介山 「大菩薩峠」
...一象の力を以てしても断ち切ることのできない鎖も...
中里介山 「大菩薩峠」
...尾を断ち切る――ここに毒があるという...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...確実に禍(わざわい)の根を断ち切るときだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...自身の縄目を断ち切ると...
吉川英治 「三国志」
...自分の片腕を断ち切ることになり――万一...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??