...線路(せんろ)の堤防(どて)の枯草(かれくさ)を見(み)た料簡(れうけん)...
泉鏡太郎 「大阪まで」
...己(おれ)のような素一歩(すいちぶ)と腐合おうと云う料簡方(りょうけんかた)だから...
泉鏡花 「婦系図」
...生若(なまわか)いものであると料簡の見留(みと)めもつきにくいが斎藤ならばもう安心なものだ...
伊藤左千夫 「春の潮」
...こんな乱暴な料簡(りょうけん)は起さないのであるが...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...宅(うち)の人の料簡(りょうけん)を訊いて見て下さいよ...
徳田秋声 「新世帯」
...つまんねえ料簡(れうけん)出すから」「何よ又そんなことゆつて」「なにつて兼ことぶつころすなんて騷いてんぢやねえか」「此忙しいのにあんまりのさくさして居やがつて小世話燒けたからよ」「のさくさしたつて「ツアヽ」がにや分んめえ...
長塚節 「芋掘り」
...「資本(もとで)の二兩(りやう)二分(ぶ)位(ぐれえ)でこんで餓鬼奴等(がきめら)までにや四五人(にん)も命(いのち)繋(つな)いで行(い)くのにや赤(あけ)え手拭(てねげ)でも被(かぶ)つてる樣(やう)な放心(うつかり)した料簡(れうけん)ぢや居(ゐ)らんねえかんな」彼(かれ)は復(ま)た爺(ぢい)さんの頭(あたま)へ手(て)を掛(か)けていつてついと行(い)つて畢(しま)つた...
長塚節 「土」
...もう少し控えて置く方が得策だという料簡(りょうけん)を起した結果...
夏目漱石 「それから」
...魚を捕(と)る料簡(りょうけん)は無論無かった...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...妄(みだ)りに彼女を驚ろかせたがる料簡(りょうけん)に至っては想像さえ及ばなかった...
夏目漱石 「道草」
...ただいやしくも免(まぬ)かれんとする料簡(りょうけん)で行った...
夏目漱石 「門」
...それに五山は、どういう料簡か、盛岡を出発する時から、墨染の法衣を着ていた...
野村胡堂 「胡堂百話」
...ありゃお前悪い料簡(りょうけん)だぜ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...益々疑はれるばかりですもの」「それが素人料簡といふものだよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お蔦 その料簡(りょうけん)でみッちりおやり...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...君は抑もどういふ料簡でああいふ眞似をするのだ?』――『何がどうしたと言ふのです? わたくしは何もいたしはしませんよ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...「てめえの料簡」がその時どうなっているかわからないのである...
三好十郎 「恐怖の季節」
...「押さえにゆくなどという料簡は毛頭ござらん...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索