...父の遺した螺鈿の文筥に大事げにおさめた...
豊田三郎 「リラの手紙」
...久能は青江に文筥から頼子の手紙を出させたが...
豊田三郎 「リラの手紙」
...馬鹿にした野郎だ」文筥(ふばこ)を手に持ってノソノソ帰って行く中間のうしろ姿へいまいましそうに舌打ちをひとつくれて...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...我文筥の紐か、我羽織の紐か、我瓢箪(ひょうたん)の紐か、はたその紐の色は赤か青か白か黒か、もしまた紫ならば同じ濃さか同じ古さか、それらも聞きたくなきにはあらねど作者の意はさる形の上にあらずして結ぶといふ処にあるべく、この文筥は固(もと)より恋人の文を封じ来れる者と見るべければ野暮評は切りあげて、ただ我らの如き色気なき者にはこの痴なる処を十分に味ひ得ざる事を白状すべし...
正岡子規 「墨汁一滴」
...お机もお文筥(ふばこ)もお火桶(ひおけ)も...
山本周五郎 「日本婦道記」
...文筥(ふばこ)など...
吉川英治 「私本太平記」
...勅の文筥(ふばこ)は...
吉川英治 「私本太平記」
...「朝廷のおん文筥は...
吉川英治 「私本太平記」
...……せっかく下向した勅使も、開けぬ文筥では、持ち帰るにも、間(ま)が抜けようぞ、かたがた、それこそ辱(はじ)の上塗(うわぬ)りをして、追い返すようなもの...
吉川英治 「私本太平記」
...文筥(ふばこ)を恭(うやうや)しく出して...
吉川英治 「新書太閤記」
...胸に懸けていた文筥(ふばこ)をとり外(はず)し...
吉川英治 「新書太閤記」
...一個の文筥(ふばこ)を捧げてきて...
吉川英治 「親鸞」
...文筥(ふばこ)を胸に抱いている姿のどこかに初々(ういうい)しさもあって...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...文筥(ふばこ)のやりとりや往来も自然に繁かった...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...自分の胸にかけている文筥(ふばこ)を眼で示し...
吉川英治 「宮本武蔵」
...文筥(ふばこ)を前に...
吉川英治 「宮本武蔵」
...無言のまま助九郎の前から文筥を取次ぎ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...胸に文筥(ふばこ)を掛けた何家(どこ)かの下郎が...
吉川英治 「宮本武蔵」
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