...二葉亭に先んじて逸早(いちはや)く嵯峨(さが)の屋(や)お室(むろ)の文名を成した...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...弟分(おととぶん)に等しい矢崎ですらが忽ち文名を揚(あ)ぐるを見ては食指動くの感に堪えないで...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...続いて『国民之友』を創刊して文名隆々天下を圧する勢いがあった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...文名の齎(もた)らし来る収入はというといくばくもなかったので...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...文名の籍甚(せきじん)に乗じて文壇に躍(おど)り出すでもなく...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...小説家の文名にあこがれる年頃でもない...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...此上は目的通り早く立派な小説を書いて文名を中央の文壇に馳せるやうにしろ...
高濱虚子 「俳諧師」
...文名、日、一日と御隆盛、要(い)らぬお世辞と言われても、少々くらいの御叱正(しっせい)には、おどろきませぬ...
太宰治 「虚構の春」
...私が東京に於いて或るほんの一時期、これでも多少、まあ、わずかな人たちのあいだで、問題にされた事もあったと、まあ、言って言えない事もないと思いますが、しかし、その問題にされ方が、如何(いか)に私がダメな男であるか、おそらくは日本で何人と数えられるほどダメな男ではなかろうか、という事に就いて問題にされたのでありまして、その頃、私の代表作と言われていた詩集の題は、「われ、あまりに愚かしければ、詐欺師(さぎし)もかえって銭(ぜに)を与う」というのでありまして、之(これ)を以(もっ)てみても、私の文名たるや、それは尊敬の対象では無く、呆れられ笑われ、また極めて少数の情深い人たちからは、なぐさめられ、いたわられ、わずかに呼吸しているという性質のものであったという事がおわかりでございましょう...
太宰治 「男女同権」
...文名さえも一向に挙らず...
太宰治 「服装に就いて」
...又変名や文名で書く時に...
戸坂潤 「思想としての文学」
...文名隆々たる頃だった...
豊島与志雄 「十一谷義三郎を語る」
...天性文才あらば副業となしてもまた文名をなすの期なしとせず...
永井荷風 「小説作法」
...この事を小説につづりて文名を世界に馳(は)せしめき...
永井荷風 「矢立のちび筆」
...されば成功して文名を博し得ても...
永井荷風 「来訪者」
...一葉という文名嘖々(さくさく)と登る以前にも...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...すなわち公文名(くもんみょう)である...
柳田國男 「地名の研究」
...頼山陽(らいさんよう)の文名が一世を圧した時...
吉川英治 「剣の四君子」
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