...この整然としたT市の真中に棲息するとは不思議千万なことだった...
海野十三 「深夜の市長」
...整然とした他界のものゝやうに並べて見せ夜の祕密は大きな重々しい混沌とした土塊の中に一杯附着したダイヤモンドのやうに暗きを好んで異樣に輝き燈の中に浮んで來る人の顏は恐く...
千家元麿 「自分は見た」
...目鼻立ちの整然とした麗人には違いないけれども...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...あのたくさんの足が実に整然とした運動をしている...
寺田寅彦 「藤棚の陰から」
...不思議に整然とした行列で...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...整然とした均衡を破り...
野間清六 「百済観音と夢殿観音と中宮寺弥勒」
...もう整然とした網を描いて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...整然としたゴム林のなかを...
林芙美子 「浮雲」
...整然とした退却ぶりが...
火野葦平 「花と龍」
...穏健の筆致原稿から見て整然とした穏健の筆致を示される人々は...
山本笑月 「明治世相百話」
...乗合自動車との点と塊(マツス)が命ある物の整然とした混乱と自主独立の進行とを...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...巴里(パリイ)の市内にある公園は聯(れん)や押韻(あふゐん)の正しい詩を読む気がして整然とした所に特色を認める丈(だけ)窮屈な感を免れないが...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...欧風建築等の整然とした文化都市を実現してゐる...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...整然とした中にも...
吉川英治 「剣の四君子」
...両者の高い晩節の嶺から振向かれた過去の整然とした記憶や心象の構造にひきくらべて...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...整然とした街路というものはここには存在しないと見え...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...整然とした平行直線の姿で...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...それを整然とした形に結晶させた力は...
和辻哲郎 「露伴先生の思い出」
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