...――しかも五体(ごたい)の整った小鼠を一匹とったためだった...
芥川龍之介 「三つの窓」
...整った照明装置に満足の笑(えみ)を漏しながら...
大阪圭吉 「気狂い機関車」
...相談はたちまち整ったのでありました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...………そして近い将来には婚約が整ったかも知れないのに...
谷崎潤一郎 「細雪」
...あらゆるものの整った上にひとりでにかもされて来る静けさといったようなものだった...
田山花袋 「日本橋附近」
...すっかり準備が整ったらしかった……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼の蒼白い整った横顔が...
豊島与志雄 「常識」
...それは浄澄な外的自然の中に、整った身体機能、すなわち、内的自然の完き活動を可能ならしむる意味で、それ自体として快適である...
中井正一 「スポーツの美的要素」
...私から云えば、整った頭には敬意を表したいし、また乱れた心には疑いをおきたいのですが、兄さんから見れば、整った頭、取りも直さず乱れた心なのです...
夏目漱石 「行人」
...これというほど判然(はっきり)した凝(こ)り整った何物も有(も)っていなかったからである...
夏目漱石 「門」
...9つき目に妊婦は宗教的な儀式を行って設備の整った出産の家に行くことになっていた...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...戦闘準備は、整ったのである...
火野葦平 「花と龍」
...昨年学習院を出たばかりの次女の縁談さえ名望ある青年貴族との間に整ったのに...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...すべての整ったりっぱな青年である源中納言の妻になることはいよいよ似合わしからぬことと自分は思われる...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それは健康な・整った・有益であるとともに愉快な・愛情である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...苗代の整った峡間の障子が...
横光利一 「旅愁」
...彼が一国の主(あるじ)として持った家中の備えもここに整ったかの観があるからである...
吉川英治 「新書太閤記」
...一面にあの形の整った...
和辻哲郎 「巨椋池の蓮」
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