...映画館の一隅に坐っている数刻だけは...
太宰治 「弱者の糧」
...その日、快晴、談笑の数刻の後、私はお金をとり出し、昨夜の二十枚よりは、新しい、別な二十枚であることを言外に匂わせながら、しかも昨夜この女から受けとったままに、うちの三枚の片隅に赤インキのシミあったことに、はっと気づいて、もうおそい、萱野さん気づかぬように、気づかぬように、人知れぬ深い祈り、ミレエの晩鐘におとらず深き、人生の幕の陰の祈り...
太宰治 「二十世紀旗手」
...他宗の者から聴かされた智恵が、自宗で習い伝えた義理に立ち越えている」といって随喜感歎甚だしく、法談数刻の後、法然は特に乞うて華厳宗の血脉(けちみゃく)並に華厳宗の書籍などを渡された...
中里介山 「法然行伝」
...まず三重の念仏を分別して聞かせよう」と数刻に亙(わた)って細々と念仏の要旨を説き聞かせたので聖光房の高慢の心が直ちに止み...
中里介山 「法然行伝」
...乱闘数刻ののちようやく執拗(しつよう)な敵を撃退しえたが...
中島敦 「李陵」
...雑談数刻、外は雪...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...川口松太郎来り、ルパンで日独伊防協の祝杯から、川口と劇談数刻...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...それから下二番町の加藤へ、用談数刻...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...清と遊ぶこと数刻...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...喜多村氏と語る数刻...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...例の大声で語ること数刻...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...清と遊ぶこと数刻...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...それから数刻と立たないうちに...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...飲酒談笑数刻...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...死期の数刻前までも本分の指導啓発を念としつつ息を引取った……というだけの生涯であった...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...鳥羽桟敷(トバサジキ)ヲ数刻ニテ出御...
吉川英治 「私本太平記」
...――天のわれにかし給える数刻の時は――敵がそれを知るまでの遑(いとま)でしかない...
吉川英治 「新書太閤記」
...こうして数刻を経た後ガロンは共産軍を組織し...
吉行エイスケ 「地図に出てくる男女」
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