...両巻とも紙数は約六十頁にして、載(の)する所の黄金伝説は、上巻八章、下巻十章を数ふ...
芥川龍之介 「奉教人の死」
...優に天下の名山水の一つとして数ふるに足りはしないか...
田山花袋 「耶馬渓の一夜」
...木の葉土となり陽の描く影のモデルになってゐた女と語り臆病な性慾の角をのばす水車に米搗せて居るいぢらしき童心蜂は毒剣の使用を果してゐるらんらんらんと太陽のどしゃぶり◆九月五日発行『影像』三十一号喜多 一二神の手のランプと人の宇宙説干鰯の無我を真白き歯もて噛む陽は己のが錯覚の夜を追ひ続け墓底の闇にこほろぎ生の唄こゝろみに数ふる中を星流る詩人死しペン先空をねらふ仮死状態の夜の街...
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...一層その英姿を引立たしむる等その活用の範囲挙(あ)げて数ふべくもあらず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...数ふれば正しく百両ほども有之候...
永井荷風 「榎物語」
...数ふれば早(はや)十七年のむかしとなりぬ...
永井荷風 「書かでもの記」
...近き頃森田草平(もりたそうへい)が『煤煙(ばいえん)』小粟風葉(おぐりふうよう)が『耽溺(たんでき)』なぞ殊の外世に迎へられしよりこの体(てい)を取れる名篇佳什(かじゅう)漸く数ふるに遑(いとま)なからんとす...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...これらの例数ふるに遑(いとま)あらず...
永井荷風 「猥褻独問答」
...万が中(なか)なる一枚とても数ふれば目の前なるを...
樋口一葉 「大つごもり」
...数ふれば十二通(つう)の文(ふみ)を出(いだ)して旧(もと)の座へ戻(もど)れば...
樋口一葉 「軒もる月」
...町名をば順に数ふる早わざを妹達に教へしは誰れ小娘時代の囘顧で...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...(一)我が日の本の帝国の 国をば富ます第一は二寸の虫の吐き出づる 白き生糸と知られける(二)遠くは昔神代より 伝へ/\て三千年蚕の糸も集まれば 国の命をつなぐなり(三)生糸の光沢かゞやきて 光は及ぶよろづ国重なる産地数ふれば 長野に愛知群馬県(四)養蚕の業は古くより 御国を富ます業なるぞ国を思はん者は皆 勉め励めよ養蚕を(大正十二・三・一一)...
槇村浩 「養蚕の歌」
...四季の題目につきて動きやすき者を挙ぐれば春風ト秋風 暮春ト晩秋 五月雨ト時雨 桜ト紅葉 夕立ト時雨 夏野ト枯野 夏木立ト冬木立等数ふるに堪へざるべし...
正岡子規 「俳諧大要」
...男子の方は今から二十二三年前(大正九年より数ふ)に仏蘭西から来た...
三木露風 「トラピスト天使園の童貞」
...家をすこし間数ふやして40か¥45とる魂丹(ママ)かもしれず...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...単に歴代の名を数ふれば...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...譬へば逆旅(げきりよ)の主人が過客中の貴人を数ふるが如くである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...なかにはおい皺(しわ)みて肋(あばら)一つ一つに数ふべき胸を...
森鴎外 「文づかひ」
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