...ものの数ならぬ小さい小さいバスケット一箇だけ...
太宰治 「二十世紀旗手」
...どうせ数ならぬめくら法師ではござりますが...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...処がアカデミー外的なブルジョア(乃至日本ファッショ)的与太思想は今数ならぬものとすれば...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...その分量の半分が私の数ならぬ著書『科学論』(第一次唯物論全書の内)に対する二三の根本問題に就いての批判であり...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...素より数ならぬ軽輩の身...
直木三十五 「南国太平記」
...数ならぬ私共もまた...
中里介山 「大菩薩峠」
...数ならぬ道庵に対し...
中里介山 「大菩薩峠」
...数ならぬわたくしの琵琶をお聴きになりたいとの御所望――こうまで先走っておりましたのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...未亡人の美しい鈴子を中心に、森川森之助は遠縁でもあり故人の特別関係もあり、その席に加わったことは申す迄(まで)もなく、数ならぬ私も、夫人の詩友として、国府家の親しい一人として、特にその席に列(つらな)ったのは有難(ありがた)いことでした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...数ならぬ私共まで...
野村胡堂 「古銭の謎」
......
二葉亭四迷 「浮雲」
...数ならぬ伏屋(ふせや)におふる身のうさにあるにもあらず消ゆる帚木という歌を弟に言わせた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...数ならぬみ島がくれに鳴く鶴(たづ)を今日もいかにと訪(と)ふ人ぞなきいろいろに物思いをいたしながら...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...数ならぬみくりや何のすぢなればうきにしもかく根をとどめけんとほのかに書いた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...何故(なにゆゑ)か世に数ならぬ身一つを憂(う)しとも思ひ悲しとも聞くと実感のままお書きになり...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...いでやなぞ数ならぬ身にかなはぬは人に負けじの心なりけりとも歌った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...哀れ知る心は人におくれねど数ならぬ身に消えつつぞ経(ふ)る私が代わって死んでおあげすればよかったように思われます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「さきには、数ならぬ身を、小早川殿、吉川殿にも、いたく御心配くだされて、城を開いて降れよとまで仰せ越しあったが、たとえ五千のいじらしき者どもを共に死なしても、宗治としては、降伏して命を助かるなどというは思いもよらぬことゆえ、お断り申しあげたが、御僧のおことばに任せれば、主家も安泰を約され、城中の士民も無事を得るとのこと...
吉川英治 「新書太閤記」
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