...ぱらぱらと散点して見えて来た...
太宰治 「八十八夜」
...ぱらぱら小さい赤い吹出物が霧を噴きかけられたように一面に散点していて...
太宰治 「皮膚と心」
...こういうものの並んでいる間に散点してまた実に昔のままの日本を代表する塩煎餅屋(しおせんべいや)や袋物屋や芸者屋の立派に生存しているのもやはり印画記録の価値が充分にある...
寺田寅彦 「カメラをさげて」
...オンタデや虎杖(いたどり)やみね柳やいろいろの矮草(わいそう)が散点している...
寺田寅彦 「小浅間」
...蘇枋(すおう)の花房の枝の先に若葉がちょぼちょぼと散点して見え出す...
寺田寅彦 「五月の唯物観」
...二 とんぼ八月初旬のある日の夕方信州(しんしゅう)星野温泉(ほしのおんせん)のうしろの丘に散点する別荘地を散歩していた...
寺田寅彦 「三斜晶系」
...あたかも三色版の面にきたないしみの散点したと同様であるようにも思われる...
寺田寅彦 「蓄音機」
...そうしてその錯雑した中に七五あるいは五七の胚芽(はいが)のようなものが至るところに散点していることが認められる...
寺田寅彦 「俳句の精神」
...そのほか六七人そこここに散点していた...
夏目漱石 「行人」
...しまいには盤面に散点する黒と白が...
夏目漱石 「行人」
...至る所に此種(このしゆ)の家(いへ)が散点してゐる...
夏目漱石 「それから」
...至る所にこの種の家が散点している...
夏目漱石 「それから」
...だから長篇ものに所々此趣味が散点して居ても...
「高浜虚子著『鶏頭』序」
...無辺際のうちにぽつりぽつりと物が散点しているような心持ちになります...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...ぼつぼつ散点している家を見ると...
平林初之輔 「ホオムズの探偵法」
...(ただ処々に褐色の葉が芝生の上に散点するのみで...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...無数に散点した星を...
牧野信一 「痴想」
...段々がすつかり崩れて単に石ころが散点してゐるだけのことであるから数へようもないのだけれど...
牧野信一 「真夏の朝のひとゝき」
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