...河原(かわら)に散在する巌石(がんせき)を持上げ合う遊戯(ゆうぎ)を始めていた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...是等の歌は幻(まぼろし)のやうに山かげに散在する茅葺(かやぶき)屋根を思ひ出させてくれるかも知れない...
芥川龍之介 「澄江堂雑記」
...不規則に散在する田んぼの中の村々の木立を越えて美しく眺められた...
犬田卯 「荒蕪地」
...広く世界に散在する説話の一形式にして...
高木敏雄 「比較神話学」
...古沢滋の如き其他中央官府及び地方庁に散在する属僚の如き...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...喫茶店の如く二百の図書館が散在するというアメリカの図書館は...
中井正一 「集団文化と読書」
...左の方には新地(しんち)の娼楼に時として燈火(とうか)を点じて水上に散在する白魚船(しらうおぶね)の漁火(ぎょか)に対せしめよ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...曽て日和下駄なる一書を著すや市内に散在する空地を探りてその風趣を説きしがここに此の仙境あるを知らず従って言う処なかりき...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...自ずと付近一帯に散在する蕃人部落を撫順(ぶじゅん)するための...
中村地平 「霧の蕃社」
...それらトド松の間に散在する濶葉樹に対してたけだけしい勢いで対峙(たいじ)し...
本庄陸男 「石狩川」
...四の散在する部落が見られただけであるとも云っている4)...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...遠く散在する粟畑玉蜀黍畑の上...
三好達治 「測量船」
...それ故点々としてその地方に散在する現在の建物は...
柳宗悦 「野州の石屋根」
...刃物等の夥(おびただ)しい陰影の行列……その間に散在する金色...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...武蔵の国に散在する幾多の石神の司祭者であるといいますから...
吉川英治 「江戸三国志」
...伯耆(ほうき)などに散在する敵の諸砦(しょさい)を...
吉川英治 「新書太閤記」
...伊賀に散在する兵や備前の宇喜多その他を合わせれば...
吉川英治 「新書太閤記」
...雪と氷と主平原に散在する剥き出しの地面との狭間に...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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