...恬淡無欲なる我等の祖国は勿論蒹葭堂コレクシヨンをも無残なる散佚(さんいつ)に任かせてしまつた...
芥川龍之介 「僻見」
...彼は国宝の散佚(さんいつ)を慨し...
辰野隆 「愛書癖」
...その全文は今日散佚して殘つてゐないが...
内藤湖南 「支那目録學」
...吾等は先生の尺牘雜筆など散佚の虞あるものを...
永井荷風 「鴎外全集刊行の記」
...げに忘れゐたりしよ……〔空しき秋二十数篇は散佚して今はなし...
中原中也 「在りし日の歌」
...すべて皆散佚して世に問ふべき機縁もない...
萩原朔太郎 「青猫」
...余はこれを以て單に散佚の結果ありと信ずること能はざるなり...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...その家の微禄のために散佚の恐れあるを憂えられて...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...それを実隆が聞き込んで散佚(さんいつ)を惜しみ...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...その雑誌も第十何号か続いたのだが、今は全部散佚し、紛失してしまって、僕は知らない...
原民喜 「四五ニズム述懐」
...原詩は次の「永劫への旅」と共に一高同窓会雑誌『枯葉』に投稿、同誌は校正刷りのまま戦災に遇い、原稿は散佚した...
原口統三 「初期詩篇」
...これらはことごとく散佚してしまった...
原田義人 「「世界文学大系58 カフカ」年譜」
...晩年磐梨(いわなし)郡某社の巫女(みこ)のもとに入夫(にゅうふ)の如く入りこみて男子二人を挙げしが後長子(ちょうし)は窃盗(せっとう)罪にて捕へられ次子もまた不肖の者にて元義の稿本抔(こうほんなど)は散佚(さんいつ)して尋ぬべからずといふ...
正岡子規 「墨汁一滴」
...六歳の時まで散佚(さんいつ)せずにいたそうである...
森鴎外 「渋江抽斎」
...富士川游さんの所蔵の『直舎(ちょくしゃ)伝記抄』及(および)已(すで)に散佚(さんいつ)した諸書を除く外は...
森鴎外 「渋江抽斎」
...その間には書籍の散佚(さんいつ)することが殊(こと)に多かった...
森鴎外 「渋江抽斎」
...抽斎の蔵書をして散佚(さんいつ)せしめた顛末(てんまつ)を尋ぬるときは...
森鴎外 「渋江抽斎」
...それも今は多く散佚(さんいつ)して...
山本笑月 「明治世相百話」
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