...神社の銀杏の葉がヒラヒラ散る頃になると大山には雪が下の方まで降つて来るからね」△「先生は久古の言葉をよく覚えてをられますね」○「よく覚えてゐるとも...
池田亀鑑 「忘られぬお国言葉」
...巌(いわ)に飛び散る霧は雨のよう...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...花散るや鈍な鴉(からす)の翅(はね)あたり四月十一日 七宝会...
高浜虚子 「五百五十句」
...山火事の天を焦(こが)して霜赤し蒼苔低く飛ぶ星あり今宵霜降らん東雲鶺鴒(せきれい)の尾にぞ霰(あられ)のはじかれし蒼苔橋に来てまたはら/\と霰散る花牛堂大いなる霰ころがりて縁に消えざる虚子玉霰忽(たちま)ち来り忽ち歇(や)む楽天京に入つて霰に笠を叩かれつ不迷物思ふ窓を霰に叩かれき不染あられうつ石峨々(がが)として水急なり霜磧こんな類(たぐい)であります...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...散る花を悼(いた)む心も慌(あわただ)し四月二十一日 雉子郎を悼む...
高浜虚子 「六百句」
...紙では却って落ち散る恐れがあったからであろうか...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...等々!春は芽ぶき秋は散る...
種田山頭火 「其中日記」
...否(いな)今もなおこの凩に吹き散る雲の影のようななんらかの希望の影を追うているではあるまいか...
寺田寅彦 「凩」
......
長塚節 「長塚節歌集 中」
...家が崩れる迄には、雨戸が飛び、瓦が散るだらう...
原民喜 「廃墟から」
...その気斜めに飛び去り、金竜山浅草寺の五重の塔なる九輪を打ち曲げ散じて、八方へ散る...
武者金吉 「地震なまず」
...さくら散る春の夕(ゆふべ)のうすぐもの涙となりて落つる心地(ここち)に (晶子)冬になって来て川沿いの家にいる人は心細い思いをすることが多く...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...虚空に数千の火花が飛び散る...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...その門の岸の柳の散る夕を...
柳田国男 「木綿以前の事」
...――散るな、みな集まれ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...砕けて白く散るもあり...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...芦花(ろか)散る江頭(こうとう)の船べりに霜の戈(ほこ)をならべ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...それはただ「泣く」という意味に限局されて散る花を悲しむ心に結びつくに過ぎない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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