...垢染(あかじ)み過ぎた蝶散らしの染浴衣...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...若い将校達は猿のやうな紅(あか)い顔をして猿のやうにはしやぎ散らした...
薄田泣菫 「茶話」
...早く捜して来い!」と八つ当りに呶鳴(どな)り散らし...
太宰治 「新釈諸国噺」
...それに今まで盛んに喋り散らしてゐた者が喋ることを止めたものですから急にひつそりとなつて淋しくなつたんですよ...
田中貢太郎 「提燈」
...彼は肘掛椅子に腰掛けたままわめき散らし...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「患者兼同居人」
...おまけに俺の吐き散らした「金言」をまで後生大事に覺えこんでいたんだ――いやはやこっちは...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...お前の見えない脚で何にもかも蹴散らしてくれ...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...大きく井桁を散らした青っぽい着物に...
豊島与志雄 「復讐」
...綾錦(あやにしき)に花を散らしたような美しさであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...目黒の不動様のお札を撒(ま)き散らしたり...
中里介山 「大菩薩峠」
...當り散らしてばかり居るさうで」「ところで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...冬の海が白い浪の穂を散らして逆(さか)巻いている...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ぱちぱちと青白い火花を散らして重油を焚(た)いている...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...無暗に何かに当り散らしたくなる...
水野仙子 「脱殼」
...魚が聞いて触れ散らし角の噂が拡まったので王死んでしまい...
南方熊楠 「十二支考」
...裾を蹴散らして歩く背高い姿はひとびとの目を惹いたのである...
室生犀星 「幻影の都市」
...そのとりことなったサルマティアの処女十人の蕾(つぼみ)を散らした...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...旦那様にもお目にかけた上でひとつ……」そこらへ並び散らしてある他の鼈甲物(べっこうもの)だの...
吉川英治 「春の雁」
便利!手書き漢字入力検索