...校門を辭して散々に任地に就いてからの一年半の間に...
石川啄木 「鳥影」
...そして国民軍の出動によつて散々に蹂(ふ)み躙(にじ)られた労働者の様子に心の底まで動かされたアレキサンダア・ベルクマンは彼れの生命を賭して...
伊藤野枝 「乞食の名誉」
...叔父や叔母達の散々に自分のことをいいののしる様子や...
伊藤野枝 「出奔」
...室じゅうを散々に追い廻した末に...
大杉栄 「続獄中記」
...しかし囘龍の方でも素早くまげをつかんでその首を散々になぐった...
小泉八雲 田部隆次訳 「ろくろ首」
...後にトロイアが優勢となりアカイア軍は散々に敗退する...
土井晩翠 「「イーリアス」例言」
...散々に情操を踏みにじられて来ても...
徳田秋声 「のらもの」
...といって久能を散々に負かした...
豊田三郎 「リラの手紙」
...貴樣の仕つけがよろしくないからかういふ事を仕出かしたのだと散々に叱られてさうして自分自身の噪ぐ心を落付けさせたいのでありました...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...おれも同時に野だを散々に擲き据えた...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...おれはこのたんすの中が見たい」「まア」散々にすねたり絡みついたりするお栄を...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ただの鼻紙と気がついてあわてたんだろう」散々に敗北したようでも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...最初は散々に駄々をこねてをりましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...散々に苦しめた上...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...お聞きの通りのエジャナイカ騒ぎで本宿辺は散々にぶちこわしが始まっていると申しますし...
三好十郎 「斬られの仙太」
...船子どものために散々に虐待された...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...魚市場の魚(うお)を跳ね飛ばして散々に暴れ散らした揚句(あげく)...
夢野久作 「白髪小僧」
...しかし、久我畷(なわて)から淀をこえ、伏見の里に来るまでに、ほとんど、散々に脱軍して、残るは腹心の者ばかりわずか十三騎とまでなってしまった...
吉川英治 「新書太閤記」
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