...敢然と山から下つて来たツアラトストラの大業を教へてくれたのである...
芥川龍之介 「僻見」
...恐らくは彼は更に敢然として「多數」を排斥したであらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...敢然として実行計画をたてた...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...ミルキ国最後の二人は鉄扉に向って敢然とぶつかっていった...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...まさかの場合は敢然として反抗しないものでもないが...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...この大任に敢然とついた素人としてのマックリーシュの心境は...
中井正一 「組織としての図書館へ」
...小酋長たるヘンリが毎晩敢然と汚物のバケツを提げては蚊帳(かや)をくぐって捨てに行っていた...
中島敦 「光と風と夢」
...なお心中に言わんと欲することを敢然として口に出すがごときは...
新渡戸稲造 「自警録」
...そんな事はありません――どっちかというとよく眠る方です」お美乃の敢然と振り仰ぐ顔...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...敢然と平次に立ち向ったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...畜生!」と痛烈な一語を残して敢然と其処を立ち去った...
細井和喜蔵 「女給」
...敢然として死に面した者も尠くなかった...
牧逸馬 「運命のSOS」
...いわば世をあげて狂っていた中に、ただひとりモンテーニュだけが、こうして、敢然と、『随想録』の中でその非をならしたのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...敢然と起って朝(ちょう)の御盾とならなければならぬ...
山本周五郎 「菊屋敷」
...その血潮は、ふだんの柔弱を滅却して、敢然と、彼の気愾(きがい)を立派に叩き直した...
吉川英治 「剣難女難」
...敢然と言ってみせて...
吉川英治 「八寒道中」
...そこで彼は圧倒的に優勢な敵に敢然として立ち向い遂に戦死した...
和辻哲郎 「鎖国」
...しかるに彼は、すでに六、七百年の伝統を有する末期のシナ禅宗の中に飛び込むとともに、敢然として、このただひとりなる如浄を正しとしたのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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