...ミルキ国最後の二人は鉄扉に向って敢然とぶつかっていった...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...敢然と「お化けの絵」をかいてしまったのだ...
太宰治 「人間失格」
...宴会などに於いて無礼者に対しては敢然と腕力をふるったものだ...
太宰治 「花吹雪」
...友人と遊ぶときでも、敢然と、割勘(わりかん)を主張して、ひそかに軽蔑を買っている様子である...
太宰治 「春の盗賊」
...この大任に敢然とついた素人としてのマックリーシュの心境は...
中井正一 「組織としての図書館へ」
...敢然として学界の長老に抗議した札幌の農大の一学生があった...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
...敢然として立った江戸の町奴...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...敢然と平次に立ち向ったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お久美は敢然と顔を上げて...
林不忘 「あの顔」
...こうなった上は敢然と阪井と決闘するほかはなくなりました...
久生十蘭 「ハムレット」
...死に対しても敢然とぶつかってゆこうという...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...学術のためとか人類文化のためとかいう名の下に敢然として非人道的な研究を断行して来たものらしい...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...敢然としてこの精神を支持し宣揚して行かねばならぬ...
夢野久作 「能とは何か」
...その血潮は、ふだんの柔弱を滅却して、敢然と、彼の気愾(きがい)を立派に叩き直した...
吉川英治 「剣難女難」
...それでも、加藤次景廉(かげかど)や大見平太等は、「ここは、われらで殿軍(しんがり)をいたせば、方々は、もっと奥地へ遠く引揚げて、いよいよ足場を占めて備え立てなされ」と、味方へさけびながら、もう敢然と、敵の白刃を迎えていた...
吉川英治 「源頼朝」
...義澄はもう敢然と...
吉川英治 「源頼朝」
...謎(なぞ)の櫃(ひつ)「生意気な!」と、加山耀蔵(ようぞう)は、八弥(はちや)の注意を聞きながしながら、敢然と、男の手もとへ飛びこんだ...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...しかるに彼は、すでに六、七百年の伝統を有する末期のシナ禅宗の中に飛び込むとともに、敢然として、このただひとりなる如浄を正しとしたのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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