...敢(あえ)て同人に語を寄せる所以(ゆえん)である...
芥川龍之介 「羅生門の後に」
...不取敢(とりあへず)気の小さい兼大工を説き落し...
石川啄木 「天鵞絨」
...勇敢に飛んで行って...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...進んで自ら死を敢行するに依り復活に転ぜられて...
田辺元 「メメント モリ」
...このバンデリエイルの勇敢と機敏と熟練と...
谷譲次 「踊る地平線」
...ましてこういう晩にこういう場所にうずくまっていると人間のいとなみのあとかたもなく消えてしまう果敢(はか)なさをあわれみ過ぎ去った花やかな世をあこがれる心地(ここち)がつのるのである...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...取り敢(あ)えず当人が出ないと云う法はない...
谷崎潤一郎 「細雪」
...敢てその危険を冒す次第である...
中谷宇吉郎 「二つの序文」
...敢て故老を俟(ま)つまでもなく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...拂ひも敢(あ)へぬ姿でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あなたはそう勇敢に進むことがおそろしいとは考えませんか」「僕は文学者ではないから君のいうむずかしい言葉は判らない...
浜尾四郎 「正義」
...人間の精神とは果敢(はか)ないものであり...
林芙美子 「浮雲」
...みずからを逡巡(しゅんじゅん)や反省なしに平気で殺人を敢行(かんこう)するのである...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...ともしびよりも果敢(はか)なげな風情でいった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...萬一敢て此の冒險を行つたら...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...果敢(はか)なき思想を包みたるを恥とせず...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...賤ヶ嶽、柳ヶ瀬の戦いを通じ、柴田の敗因は、一に玄蕃允の“中入(なかい)りの居着(いつき)”にありとされてあるが、こう観じてくると、むしろ玄蕃允の失策は、局地的であったに反し、勝家の誤謬(ごびゅう)は、それ以前に、異体脆弱(いたいぜいじゃく)なものを、敢えて、内容にゆるしていたという根本的な誤謬を冒(おか)していたことがわかる...
吉川英治 「新書太閤記」
...そのあとに十字架を建ててこれを礼拝するというような思い切ったことを敢行したのである...
和辻哲郎 「鎖国」
便利!手書き漢字入力検索