...鼻筋はやせ細って精神的な敏感さをきわ立たしていた...
有島武郎 「或る女」
...その敏感さで房一は相沢が一方では彼を賞(ほ)め上げながら逸早く往診を求めたのはその恩恵と好意によるものだと知らせたがつてゐるのを見抜いた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...手探りの敏感さで...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...竹山の敏感さにも驚かされる...
豊島与志雄 「椎の木」
...クリストフは愛情から来る敏感さで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...と、娘の敏感さで、一瞬の間に眼が水の如く冴えて、異常な亢奮に、胸の鼓動が高鳴ります...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...末端神経の敏感さに存する...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...母を気づかう敏感さであった――母が知らないのにあなたが出かけてはいけません...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...これまでの彼女には見られなかったような敏感さで...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...光りに擽られるかのやうに敏感さうに胸をおさへて身体を縮ませた...
牧野信一 「タンタレスの春」
...たといみや子が夫婦間の特別な敏感さを利用して熾(さかん)に暗号を送ったとしても...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...而も条件的なものへの敏感さを失って...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...訳をする人の文章に対する感覚の敏感さによって何というちがいでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そこには何か刻々に生成してゆく精神の敏感さが燃えている様が反映して居り...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ツワイクがあの敏感さをもってアントワネットやフーシェをテーマとして選んだ傾向...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...彼の敏感さの証明として賞讃されてもよいことがらではあっても...
三好十郎 「恐怖の季節」
...電話を伝わって来る相場に限って私が持っている……それこそ悪魔のような敏感さを...
夢野久作 「鉄鎚」
...もしそれだけの敏感さを持つて知らしてくれたら...
横光利一 「書翰」
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