...その他は人が故意にこしらえたる話である...
井上円了 「おばけの正体」
...故意にその人物の素性(すじょう)などを隠そうとしたものではなく...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...なぜか故意にひどい音を立てている様に見えるではないか...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...釧路丸が故意に北海丸を……いや...
大阪圭吉 「動かぬ鯨群」
...故意に門燈のスイッチをひねっているようであった...
田中貢太郎 「蟇の血」
...故意に事実に眼を蔽う卑怯者(ひきょうもの)の振舞である...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...その研究の結果によって得られた科学的の知識からなんらかの人間的な声を聞くことを故意に忌避することがあたかも科学者の純潔と尊厳を維持するゆえんであると考えるような理由のない慣習が行なわれて来た...
寺田寅彦 「科学と文学」
...虫ばみ枯れかかった葉を故意にあさはかな了簡(りょうけん)で除いて写した向日葵の絵は到底リアルな向日葵の絵ではあり得ない...
寺田寅彦 「備忘録」
...故意に事件の解決をおくらしている...
戸坂潤 「社会時評」
...故意にかあるいは偶然にか...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その故意にゆるくした歩き方のうちにも身軽さと敏捷(びんしょう)さとが見えていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...――故意に維持しやうと思はないでも...
夏目漱石 「それから」
...故意に神聖冒涜(ぼうとく)の思想を書き...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...死を待つために故意に幽閉されてあるという事実に対して...
葉山嘉樹 「牢獄の半日」
...故意に空高く吹き鳴したコルネツトを...
牧野信一 「村のストア派」
...我々は故意に自然から賦与されている理性の掟にさからっているのであるが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それにしても軽部が故意に酒を飲ましてまで屋敷を殺そうなどと深い謀みの起ろうほど前から私たちは酒を飲みたくなっていたのではないのである...
横光利一 「機械」
...武士たちはしばしば宗教へも揶揄(やゆ)と驕慢(きょうまん)を故意にした...
吉川英治 「私本太平記」
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