...強い者、大きい者を小さくするために、故意に、世間の眼の前に、その敵を持上げる事ではない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...あるいは故意にこれをなすものなりやという点にほかならず...
井上円了 「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」
...故意にそれを忘れて...
江戸川乱歩 「疑惑」
...師宣(もろのぶ)や祐信(すけのぶ)などの絵に往々故意に手指を隠しているような構図のあるのを私は全く偶然とは思わない...
寺田寅彦 「浮世絵の曲線」
...誤謬と知りながら之を訂正せず又は故意に真理を抂げることが虚偽であると考えられているであろう...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...知識の成立の問題の方は之を故意に問題外に残したのである...
戸坂潤 「科学論」
...その故意にゆるくした歩き方のうちにも身軽さと敏捷(びんしょう)さとが見えていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...妹子は故意にそれを失つたか...
内藤湖南 「聖徳太子」
...故意に駄々をこねることの悦びにさへ...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...それ故私等は故意にその「呪はれたる言葉」をとつて詩社の標語とした...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...僕は故意にシンケンな表情をかまえていた...
林芙美子 「魚の序文」
...故意に世相への感想を避けていた...
原民喜 「冬日記」
...マイケル・ジヨセフも言つてゐるやうに「少数の運のよい例外を除いては、何人も、故意に、良く売れる書物をこしらへることはできない...
平林初之輔 「商品としての近代小説」
...しかし僕は故意にそれを僕と彼女とのことだと取つた...
堀辰雄 「不器用な天使」
...故意に特別列車を転覆させたことは...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...故意に呉一郎が帰省した時を選んで...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...「関羽どの」「はい」「さてはご辺には、むかし曹操よりうけた恩を思うて、故意に、曹操の危難を見のがされたな」「今さら、何のことばもござりませぬ...
吉川英治 「三国志」
...故意に内から開かせた...
吉川英治 「三国志」
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