...元来露西亜の思想なるものは極めてオーソドックスな官僚的階級差別心と頗る放縦なユートピヤ的空想とあるのみで...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...さうした放縦な笑によつて引き起されるあたりの不安と動揺とのために...
薄田泣菫 「独楽園」
...甘えるような驕慢(おごり)と、放縦な情欲とが、次第に無恥な自分を、お増の前にも突きつけるようになった...
徳田秋声 「爛」
...無関係なことや放縦な事柄を話し...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この貴族主義者は思惟に於いて貪欲放縦なのである...
豊島与志雄 「文学精神は言う」
...『実際、放縦なるものは、何も肉的な事柄の中に含まれているわけではありません...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...『蛇の如く悧(さか)しくあれ』と云ふ事は素より放縦な狡猾をさして云ふのではない...
長與善郎 「青銅の基督」
...放縦な生活を続けて行った若菜...
野村胡堂 「音波の殺人」
...ああいう放縦な日常の中へ放って置くわけにはゆかないから...
久生十蘭 「キャラコさん」
...そして生れつき放縦な多くの哥薩克たちはまたもや戦地へと出征した...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...父方の朗らかに放縦な血を何かに奪はれ...
牧野信一 「蔭ひなた」
...どうかするとあまりに放縦な想ひに眩惑されて重苦しくなることさへあつたが...
牧野信一 「雪景色」
...彼らの民事制度及び放縦な掠奪精神について彼が与えている記述がそれだけで...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...身分が低くて注目するものがないなどと思って放縦なことをしてはいけないよ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...放縦な男のような行為は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...これから先き放縦な心持ちになって...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...放縦なる自由詩の何れにも伴ふが如し...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...これらの放縦な幻覚はいきなりその恐るべき性質を保持するようになったのではなかった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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