...さらぬだに世間の毀誉褒貶(きよほうへん)を何の糸瓜(へちま)とも思わぬ放縦な性分に江戸の通人を一串(いっかん)した風流情事の慾望と...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...尚(ま)だ放縦な駄々ッ子的気分が何処(どこ)かに残っていたが...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...後者は微塵(みじん)も算盤気(そろばんけ)がなくて自由な放縦な駄々(だだ)ッ子(こ)気分を思う存分に発揮していた...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...元来露西亜の思想なるものは極めてオーソドックスな官僚的階級差別心と頗る放縦なユートピヤ的空想とあるのみで...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...そして放縦な仲間の者から誘はれると下町あたりの入口の暗い二階の明い怪しい家に行つて時々家をあけることも珍しくなかつた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...放縦な高速度恋愛をし...
寺田寅彦 「映画時代」
...やはり本当の意味での放縦な...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...そしてこの放縦なキリスト教主義は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この貴族主義者は思惟に於いて貪欲放縦なのである...
豊島与志雄 「文学精神は言う」
...関子はその日から放縦な無法な生活へと陥(お)ち込んで行ったのでした...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...ああいう放縦な日常の中へ放って置くわけにはゆかないから...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ヨーロッパじゅうでもいちばん放縦な大学でその当時常に行われていた悪徳の長い目録(カタログ)に...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...放縦な逸楽を得たい欲念が起って...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...身分が低くて注目するものがないなどと思って放縦なことをしてはいけないよ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...こんな趣味の美しい女住居(ずまい)に放縦な癖のついた男が来たなら...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...放縦な男のような行為は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...宮のああした御放縦な恋愛生活を飽き足らず見て...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...我々一人一人の脳裏にまともな頭の持ち主ならとても口にできない種類の放縦な推測が巡っていたことなどないと断定する程ナイーヴにはなれない...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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