...さらぬだに世間の毀誉褒貶(きよほうへん)を何の糸瓜(へちま)とも思わぬ放縦な性分に江戸の通人を一串(いっかん)した風流情事の慾望と...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...さうした放縦な笑によつて引き起されるあたりの不安と動揺とのために...
薄田泣菫 「独楽園」
...大体が放縦なことのできぬ持ち前であったから...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...そして放縦な仲間の者から誘はれると下町あたりの入口の暗い二階の明い怪しい家に行つて時々家をあけることも珍しくなかつた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...放縦な生活を楽しんでいた...
田中貢太郎 「竇氏」
...更に放縦な生活をしている...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...この貴族主義者は思惟に於いて貪欲放縦なのである...
豊島与志雄 「文学精神は言う」
...さうした女たちはもう放縦なポーズが身についてゐるのか...
原民喜 「災厄の日」
...長らくの放縦な生活のためにさんざんに荒廃している...
久生十蘭 「魔都」
...父方の朗らかに放縦な血を何かに奪はれ...
牧野信一 「蔭ひなた」
...ただ年若な者のする放縦な行動そのままにお捨て置きになりましたことを私は遺憾(いかん)に思うのです」くわしく大臣が言うことによって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...放縦な時代のせいだとしておゆるしいただけるだろうか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...放縦な恋愛の旺盛さ狂暴さを用いようとするのは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...新旧に左右に放縦な道を歩む...
柳宗悦 「工藝の道」
...義仲の放縦な一面を特色づけているようだが...
吉川英治 「随筆 新平家」
...これらの蜃気楼は捕鯨者のスコースビー(*16)が一八二〇年に北極圏で観察し描画したものの中の放縦なタイプに似ていなくもなかったが...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...我々一人一人の脳裏にまともな頭の持ち主ならとても口にできない種類の放縦な推測が巡っていたことなどないと断定する程ナイーヴにはなれない...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...いかなる放縦な男女関係も社会的あるいは倫理的制裁を受くるおそれのない境遇にあって...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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