...放縦なる生活を喜びしものなり...
芥川龍之介 「恒藤恭氏」
...さらぬだに放縦な椿岳は小林城三と名乗って別に一戸を構えると小林家にもまた妻らしい女を迎えた...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...さらぬだに世間の毀誉褒貶(きよほうへん)を何の糸瓜(へちま)とも思わぬ放縦な性分に江戸の通人を一串(いっかん)した風流情事の慾望と...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...あの人はどうかしていますね」帆村は軽く笑って「几帳面なのか放縦なのか...
海野十三 「地獄の使者」
...彼の考へは頻に放縦な女の話へと往つた...
田中貢太郎 「青い紐」
...そして放縦な仲間の者から誘はれると下町あたりの入口の暗い二階の明い怪しい家に行つて時々家をあけることも珍しくなかつた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...この島で比類のない無頼放縦な生活がつづけられていたのである...
久生十蘭 「海豹島」
...ああいう放縦な日常の中へ放って置くわけにはゆかないから...
久生十蘭 「キャラコさん」
...そして生れつき放縦な多くの哥薩克たちはまたもや戦地へと出征した...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...私はもっとも放縦な学生の数人を自分の部屋での秘密な酒宴に招待したのであった...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...私の放縦な仲間たちのなかで...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...彼らの民事制度及び放縦な掠奪精神について彼が与えている記述がそれだけで...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...若いどうしは放縦なことをするに違いない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...しかしあまり優越感を持ち過ぎて慢心的に放縦なほうへ転向することのないようにしなくてはならない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...宮のああした御放縦な恋愛生活を飽き足らず見て...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...新旧に左右に放縦な道を歩む...
柳宗悦 「工藝の道」
...我々一人一人の脳裏にまともな頭の持ち主ならとても口にできない種類の放縦な推測が巡っていたことなどないと断定する程ナイーヴにはなれない...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...いかなる放縦な男女関係も社会的あるいは倫理的制裁を受くるおそれのない境遇にあって...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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