...さらぬだに放縦な椿岳は小林城三と名乗って別に一戸を構えると小林家にもまた妻らしい女を迎えた...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...この何者にも制肘(せいちゅう)されない放縦な駄々ッ子的気分が当時の文学好きの青年の共鳴を惹(ひ)くに十分力があった...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...この放縦な生活が如何に学校当局者の眼に映じたかは第四号の広告に歴然と現われておる...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...常から放縦な恋愛を顰蹙(ひんしゅく)する自分は大杉のかなりに打明けた正直な告白に苦虫(にがむし)を潰(つぶ)さないまでも余り同感しなかったのを気拙(きまず)く思ったと見えて...
内田魯庵 「最後の大杉」
...放縦なとりとめもないことを考へるには都合がよかつた...
田中貢太郎 「青い紐」
...そしてこの放縦なキリスト教主義は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この貴族主義者は思惟に於いて貪欲放縦なのである...
豊島与志雄 「文学精神は言う」
...放縦な生活を続けて行った若菜...
野村胡堂 「音波の殺人」
...ああいう放縦な日常の中へ放って置くわけにはゆかないから...
久生十蘭 「キャラコさん」
...もっとも放縦な気まぐれにふけり...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...愛から女性は放縦な性慾の対手と成るに甘じる場合がある...
宮本百合子 「黄銅時代の為」
...昔の放縦な生活の名残(なごり)をとどめているようにおっしゃるのが残念です...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...若いどうしは放縦なことをするに違いない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...こんな趣味の美しい女住居(ずまい)に放縦な癖のついた男が来たなら...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...放縦な男のような行為は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...貴公子に共通な放縦な生活をするようなことも好まなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...宮という放縦なことを常としていられる方は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...彼は尾張中将の放縦なる若殿徳川万太郎の側付き...
吉川英治 「江戸三国志」
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