...往来で放歌(ほうか)をすることは...
岡崎雪聲 「死神」
...猿之助の三味線にて放歌夜半に及ぶ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...万源という料理屋の二階から酔客の放歌が聞える...
永井荷風 「梅雨晴」
......
中島敦 「和歌でない歌」
...しかし私が勉強している時に隣室のものなどが放歌するのを聴くと...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...臆面もなく、三重結婚の高砂やが奇月宗匠によって謳(うた)われると、あとはもう、放歌と乱舞と、浴びるような鯨飲でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...狭斜(きょうしゃ)の巷(ちまた)を放歌してゆく蕩児です...
浜尾四郎 「死者の権利」
...己(おの)が身は巨大なる千本咲きの、花鉢の下敷きになって気絶して以来、いささか取りとめなき状態となり、にわかに尊大に構え、放歌高唱し、好んでタヌが愛蔵秘珍する物件を破壊するとか、そのうえ、あるまい事か、この四年以来欧州くんだりを遊歴し、つぶさに苦楽をともにした畏敬する相棒(コオバン)、美しきタヌ嬢に対して、「やい、この駱駝の雌め(エエ・シャメル・トア)!」の称をもって呼んだというのである...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...新秋の宵の本郷通りは放歌高吟の書生の群が往来繁く...
正岡容 「圓朝花火」
...デカンシヨがはずみ江知勝灯を落し東魚向陵へ放歌乱舞の春が来る同江知勝は戦災まで本郷にあつた牛肉店...
正岡容 「大正東京錦絵」
...往来で大声放歌はならんちゅう位の事は心得て居るじゃろう...
正岡子規 「煩悶」
...終りは吟声(ぎんせい)となり放歌となり都々逸(どどいつ)端唄(はうた)謡曲仮声(こわいろ)片々(へんぺん)寸々(すんずん)又継又続倏忽(しゅっこつ)変化自(みずか)ら測る能はず...
正岡子規 「墨汁一滴」
...夜遊(よあそび)の歸途(かへり)の放歌(うた)すら聞(きこ)えない...
三島霜川 「水郷」
...今日のように時には大いに飲んで高吟(こうぎん)放歌に気をはなつのも意義がある...
吉川英治 「上杉謙信」
...王必の営中では、宵の口から酒宴がひらかれ、将士はもとより、馬飼の小者にいたるまで、怪しげな鳴物を叩いたり、放歌したり、踊ったり、無礼講というので、いやもうたいへんな賑いだった...
吉川英治 「三国志」
...しきりに浮かれまわっている少年の放歌(ほうか)である...
吉川英治 「神州天馬侠」
...放歌浪遊蕭々(しょうしょう)と...
吉川英治 「平の将門」
...朝、舟の中へつみこんだ酒や弁当も、飲みつくし食いつくし、放歌朗吟に、声もつぶし、果ては、舟底を枕に、思い思い、ひと昼寝して、いま、眼が醒めあったところである...
吉川英治 「平の将門」
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