...と云ふのが自分の書いたものを江湖に放つときの自分の信仰だ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...』と明かに言放つた...
石川啄木 「鳥影」
...わが上衣の上に火矢(ひや)を放つ...
ルイ・ベルトラン Louis Bertrand 上田敏訳 「錬金道士」
...怪物はパッとドアを開け放つと...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...楔子(くさび)を打つて放つて打ち殺してしまいました...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...と讃嘆の声を放つのである...
太宰治 「富士に就いて」
...かうときまると放つては置けないので...
田山録弥 「田舎からの手紙」
...物見高い近所の手前も放つては置けなかつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...放つて置いても、壽齋は間もなく死んだ筈だ」平次の言葉の豫想外さに驚いたか、三輪の萬七も暫らくは立ち竦(すく)みました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...畳に放つておいてももぐもぐと唇をうごかして一人で寝転んだまま遊んでゐてくれた...
林芙美子 「幸福の彼方」
...古いしもたやの多いこの辺ではひどく異彩を放つ建物...
久生十蘭 「魔都」
...お前の亭主がわしを馬の尻尾に繋いで野に放つか...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...最初の声を一つ放つたかと思ふと...
牧野信一 「鬼の門」
...見なれてゐる山岳や樹木も美妙な精彩を放つてゐるやうな氣持もした...
正宗白鳥 「『アルプスの眞晝』(セガンチーニ作)」
...今なほ毅然として光を放つてゐるであらうか...
正宗白鳥 「學校の今昔」
...何かしらを外の方へ云ひ放つた...
松永延造 「アリア人の孤独」
...さつぱり云ひ放つたことばはない...
吉川英治 「折々の記」
...「――俺を捕えて、伊豆へながすなどとは、野に、虎を放つものだ...
吉川英治 「親鸞」
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