...放つて開かせる時期の來る迄俺は俺の爆發を抑へて行くのだ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...ちよツと下の夫婦の樣子に目を放つたが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...しかも我らの放つもの...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...いつも駒井が研究に疲れた眼を放つところの窓に来て...
中里介山 「大菩薩峠」
...谷底に夜光を放つ大蛇のように爬行する雨畑川を望んで...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...今時分(いまじぶん)来(き)たんだ」と代助は愛想(あいそ)もなく云ひ放つた...
夏目漱石 「それから」
...サイレンが警戒警報を放つた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...一ところ貝殻のやうな青い光を放つてゐる部分があつた...
原民喜 「心願の国」
...あの滑り具合の……」加藤もそんな感投詞を放つた...
牧野信一 「明るく・暗く」
...つい此間今と同じやうな質問を熱心に或る友達に放つて...
牧野信一 「秋晴れの日」
...静かな庭に眼を放つてゐた...
牧野信一 「或る日の運動」
...或る持主は見物人に賄賂を贈つたり或ひは内意を含んだ数十名の味方を見物中に秘かに放つて...
牧野信一 「鱗雲」
...白の洗面器の中に金魚を放つと水は忽ち染められたかのやうに赤く映えるが掬ひ出してしまふと...
牧野信一 「小川の流れ」
...主に空に眼を放つてゐます...
牧野信一 「蔭ひなた」
...茲にても我等を迎ふる人のあり旅の暮れなり懐かしきかもひな乙女等のかざりし室の榛の香の強く泌みけり山里の暮疲れたる身に泌々と真白なる花の香の胸うちにけり胸うちし真白き花よ榛の名花よひな乙女なる香の放つなる知らぬ地の窓辺近くにオルガンをひけば心もすみ渡りけり遙々とわが家はなれし山里にふく山風のさみしかりけりかくして九時半「世之助伍長」の軍隊式号令にて就寝...
村山俊太郎 「平泉紀行」
...抜き放つた短刀を右手に握つて...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...私達は崖上の開け放つた窓から諸峰を望み...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...宮門に火を放つと五百の精兵を駆って...
吉川英治 「三国志」
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