...……お前にはふて腐れがいっちよく似合っとるよ……ただしおれをだましにかかると見当違いだぞ」そういいながら倉地は葉子を突き放すようにした...
有島武郎 「或る女」
...まあ、お酒の香(におい)がしてねえ、」と手を放すと、揺々(ゆらゆら)となる矢車草より、薫ばかりも玉に染む、顔(かんばせ)酔(え)いて桃に似たり...
泉鏡花 「婦系図」
...あなたを手放すでしょうか」「明日は手放す機会をこしらえます...
田中貢太郎 「虎媛」
...マルクス主義による思想上の党派性=首尾一貫性から自らをかく解放する(例えば文学の政治的なるものからの文学一般としての解放)口実をば...
戸坂潤 「思想としての文学」
...庭の木に放すと、のそりのそり梢の方へ這い上っていって、枝葉の茂みに隠れてしまった...
豊島与志雄 「蜘蛛」
...殆ど或場合には引放す事の出来ない程混同錯乱してゐるからである...
永井荷風 「虫干」
...可愛い娘を手放す親御たちをもお気の毒と思わないわけにはゆきません...
中里介山 「大菩薩峠」
...冬の間は一度もあけたことのない引戸をすっかりあけ放すと...
中谷宇吉郎 「雪雑記」
...それを面白半分で書生達が放すと...
野村胡堂 「判官三郎の正体」
...冷く邦子を突き放す時があつた...
林芙美子 「浮雲」
...はつと電気にでもかけられたやうに腕を放すと...
北條民雄 「道化芝居」
...母はどうしても私を手放す気にはなれなかった...
堀辰雄 「花を持てる女」
...そんなに簡単に釈放するな」巡査部長がじろっと目を上げた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...むしろ全無産階級を解放することであり...
三木清 「マルクス主義と唯物論」
...歴史的なる存在は凡て我々を解放することから我々を壓迫することにまで必然的に轉化する矛盾の存在である...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...もっともっと私は達人になって自分のコンプレックスを解放する力をもたなければならないのです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一つの事実を手放すには...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...放さないのかね」又五郎が手を放すと...
山本周五郎 「おれの女房」
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