...幾度も幾度も杖で此不恰好な頭を擲つたものだ...
石川啄木 「葬列」
...『莫迦野郎! 何處に行つてるんだ?』と言ふより早く一つ靜子を擲つた...
石川啄木 「鳥影」
...一切の栄職を擲つ理由もないと主張している...
戸坂潤 「社会時評」
...「己は神の栄誉の為めに一切の物を擲つた...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...俳句は全く擲つ事になった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...思ひ切り芳の天窓(あたま)を擲つた...
萩原朔太郎 「二十三夜」
...直接性を擲つことによつて...
波多野精一 「時と永遠」
...財を蓄積するために肉體的感能的快樂を擲つも一種の自己克服であるに相違ない...
波多野精一 「時と永遠」
...何者かが木の枝で彼の足を擲つやうな気配がする……...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...万事を擲つて専心泳ぎを練習するぞ...
牧野信一 「或る五月の朝の話」
...このまま彼が創作の筆を擲つて...
牧野信一 「彼に就いての挿話」
...坐りながらコツンと力を籠めた拳固で軽く自分の頭を擲つた...
牧野信一 「公園へ行く道」
...思はず傍らの漁夫の七郎丸の頭をぽかりと擲つた...
牧野信一 「酒盗人」
...いつの間にか擲つた奴が当の生きた私で...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...思はずブロンズの頭を力一杯擲つてしまつて...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...力一杯自分の頭を擲つた...
牧野信一 「妄想患者」
...その頭をポカリと擲つたりするのであつた...
牧野信一 「余の倅に就いて」
...何ゆゑに作者はあの秀作の筆を半途にして擲つてしまつたか...
正岡容 「浅草燈籠」
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