...稚ない時から好きであつた伯母さんと昔談をする楽みをさへ擲(なげう)ち去つて...
石川啄木 「葬列」
...火箸や長煙管(きせる)で彼を打擲(ちょうちゃく)し...
梅崎春生 「記憶」
...雨戸の外にぽんと放擲(ほうてき)した...
太宰治 「春の盗賊」
...修業のためには甘(あま)んじて苛辣(からつ)な鞭撻(べんたつ)を受けよう怒罵(どば)も打擲(ちょうちゃく)も辞する所にあらずという覚悟(かくご)の上で来たのであったがそれでも長く堪(た)え忍(しの)んだ者は少く大抵は辛抱(しんぼう)出来ずにしまった素人(しろうと)などはひと月と続かなかった...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...唯家業の農を抛擲(ほうてき)してぶらぶら歩いて居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...「世間の非難に鑑みて」放擲することを政府に申し出た(一九三二年九月)が...
戸坂潤 「技術の哲学」
...ついに彼の悪意は打擲(ちょうちゃく)にうち負けてしまった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その温泉とはどこですか」兵馬が最初の当途(あてど)もない甲武信の山入りを放擲(ほうてき)したのと...
中里介山 「大菩薩峠」
...それ以上は絶対に擲られぬ秘伝を伝授して上げよう...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼等は高く球を空中に擲(なげう)つ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...彼(あ)んな奴(やつ)を生(いか)して置(お)くより擲(たゝ)きころす方(はう)が世間(せけん)のためだ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...打たれて擲かれて輕蔑(おど)されて...
一葉 「暗夜」
...事物の真理原則を求むるの鍵を放擲したるの罪なり...
福沢諭吉 「物理学の要用」
...その文に曰(いわ)く(中略)貴嬢の朝鮮事件に与(くみ)して一死を擲(なげう)たんとせるの心意を察するに...
福田英子 「妾の半生涯」
...ところが次に来るもんはてえと? 途方もない血みどろの擲り合だ...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...地(ぢ)なる太鼓三味線の擲(なぐ)らるる如き音たて申し候(さふら)ふこと...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...打擲(ちょうちゃく)している兄のほうが...
吉川英治 「大岡越前」
...この戦場に来ておるのだ」「分っておる」「百姓町人の擲(なぐ)り合いかなんぞなら知らぬこと...
吉川英治 「三国志」
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