...彼は此等の學者の説を破壞し――否破壞ではない唯一束にして抛擲しただけである――抛擲しなければあの穩健な藝術の定義に到達することが出來なかつたか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...續いて籠を擲げ付けしに...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...私はすべてを放擲して...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...例へば導火力の最も高い手擲彈(しゆてきだん)の如きものである...
石川啄木 「所謂今度の事」
...自分の頭をゴツーンとぶん擲(なぐ)った...
海野十三 「軍用鼠」
...用心はあまりいい方じゃないわネ」僕は頭を鉄槌でガーンと擲(なぐ)られたような気がした...
海野十三 「深夜の市長」
...「いたづらな阿魔つ子めが……」と途(みち)の出会頭(であひがしら)に石を擲(な)げつけた女達が交(まじ)つてゐたといふ事を何かの本で読んだ事がある...
薄田泣菫 「茶話」
...五十嵐は一人もとの座に戻つて其處に擲げ出されてある五圓札を見ると...
高濱虚子 「俳諧師」
...男らしい乾坤一擲(けんこんいってき)の大陰謀などは...
太宰治 「新ハムレット」
...お互を打擲(ちやうちやく)し合ふまで罵り交はさなければ止まないやうな日はこの二人の間には珍らしくなかつた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...因果律の否定、決定論の放擲、自由の導入、之こそ誠に物理学の危機であるように見える...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...井手氏は中途で建造を放擲した由であるし...
豊島与志雄 「台湾の姿態」
...さらりとそれを擲(なげう)って...
夏目漱石 「行人」
......
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...終ひには物を投げ飛ばす音、肉体を擲る音、瀬戸物の割れる音……果は刃物三昧にでもなりさうな大騒動だつた...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...何んなものを著てゐたか! 何も彼も放擲して...
牧野信一 「西部劇通信」
...いろいろ孝助を打擲するくせに...
正岡容 「我が圓朝研究」
...不意に去年その週刊誌の仕事を放擲して...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
便利!手書き漢字入力検索