...猶ほ此理想を抛擲することが出來ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...そして私がそれに対して擲(なげう)ったおくりものとである...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...実在を説明原理として見ないでこれを前途に擲(な)げ出して人間行動の標的としたときに...
井上哲次郎 「明治哲学界の回顧」
...空氣(くうき)の大(おほ)きな槌(つち)を以(もつ)て擲(なぐ)られたことになるので...
今村明恒 「火山の話」
...余の全心全力を擲(なげう)ち余の命(いのち)を捨てても彼を救わんとする誠心(まごころ)をも省みず...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...ぽかりぽかりと擲りつけたものだ...
薄田泣菫 「茶話」
...利休にはそれが以前の持主の名器に対する執着の抛擲(はうてき)のやうにも見えました...
薄田泣菫 「利休と遠州」
...現在の好意的な中立の態度を放擲(ほうてき)して逆に露西亜(ロシア)に傾いて行ったら...
太宰治 「惜別」
...六善ニョムさんが擲(なぐ)りつけた断髪娘は...
徳永直 「麦の芽」
...却ってつきつめる底(てい)の探求を放擲するものであるということを...
戸坂潤 「読書法」
...力任せにポカリポカリ擲(なぐ)りはじめました...
中里介山 「大菩薩峠」
...直接性を擲つことによつて...
波多野精一 「時と永遠」
...記実の中にてもただ自己を離れたる純客観の事物は全くこれを抛擲(ほうてき)し...
正岡子規 「俳人蕪村」
...僕は何うかなりや決して放擲ツちや置かん...
三島霜川 「平民の娘」
...その上から漁師の子が自分の衣を脱いで擲(なげう)ち...
南方熊楠 「十二支考」
...顕家は四囲の情勢から今は奈良を放擲するしかないときめて...
吉川英治 「私本太平記」
...一人の勇士がタンクを乗り捨てて手擲弾(しゅてきだん)でその野砲を退治してみたところが...
オン・ワタナベ(渡辺温) 「兵士と女優」
...後者は真理のために肉体を放擲することを要求する...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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