「擲」の意味
投げる、ほうる
小説での「擲」の使い方
...猶ほ此理想を抛擲することが出來ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...靜にせずば打擲(ちやうちやく)せむ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...硯(すずり)を擲(なげう)ち...
石川啄木 「閑天地」
...我がキヨルネルは即日筆を擲(なげう)つて旗鼓の間に愛国の歩調を合し候ひき...
石川啄木 「渋民村より」
...かくて擲ぐるべき握飯つきぬ...
大町桂月 「金華山」
...国家のためには身命を擲(なげう)つ特志家が幾人も続出するが...
丘浅次郎 「人間生活の矛盾」
...発明・発見の成果は故意に放擲されたり(例えば特許権を独占することによって特許使用を全社会に向って禁止する大産業資本を見よ)...
戸坂潤 「科学論」
...夢中に擲(なぐ)り合いをしている間(あいだ)に...
夏目漱石 「こころ」
...残りなく自己を放擲(ほうてき)した...
夏目漱石 「それから」
...手に在った飛車を眉間(みけん)へ擲(たた)きつけてやった...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...疳癪がおこつた時には表の米屋が白犬を擲(は)ると思ふて私の家の洗ひかへしを光沢出(つやだ)しの小槌(こづち)に...
樋口一葉 「わかれ道」
...あんまり放擲(うッちゃ)ッといちゃアよくないよ...
広津柳浪 「今戸心中」
...無意義(むいぎ)だ………もう何も彼(か)も放擲つて了はうかしら!穴籠(あなごもり)してゐると謂や...
三島霜川 「平民の娘」
...汝急に去らずんば我汝を海中に擲(なげう)たんと脅かしたごとく...
南方熊楠 「十二支考」
...打擲(ちようちやく)をすれども曾(かつ)て物を言はず...
柳田国男 「山の人生」
...乾坤一擲(けんこんいってき)...
吉川英治 「剣難女難」
...しかし気丈な老婆は、自分が脆(もろ)くなるのをすぐ自分の心で叱咤しながら、「ご先祖の恥さらし、面目ないというからには、どうせ碌(ろく)なことをしていくさったのではあるまいが」権叔父は、見るに見かねて、「もうよかろう、婆、そう打擲しては、かえって又八を拗(ねじ)け者にするぞよ」「また差し出口かよ、おぬしは男のくせに甘うていかぬ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...子供の小さな口を擲(なぐ)るように立派だ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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