...三度目には十本許り一緒にして擦る...
石川啄木 「漂泊」
...その上に柳か何か描いては又その上を濡れ布巾で擦るのです...
上村松園 「昔のことなど」
...まことに有難うさんで……」ツツツーとまた引擦るような跫音がして...
海野十三 「深夜の市長」
...上の棚の裏側の桟(さん)で手の甲を擦る様になる...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...何故なれば撫でても満足しなければ擦る...
徳富蘇峰 「弟を葬る」
...博勞さんは頭から冠りましても泥を引き擦るやうになりますので簑が歩くやうだと申してみんなが笑ひましたのでございますと女は思ひ出して堪らぬといふ樣に笑つた...
長塚節 「佐渡が島」
...上枝の毬に胸を擦る...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...歌はしばし絶えて弓擦る音の風誘う遠きより高く低く...
夏目漱石 「幻影の盾」
...ロイヤルティー諸島(南太平洋)の原住民が行っている骨の空洞を擦る(リューマチ性疾患の治療で骨髄が外に出るまで)手術や頸部消化腺の摘出...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...讀む者は第一に眼を擦る...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...誰かがマッチを擦ると...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...小声で何かささやいていたが不意にマッチを擦る音がして...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...」二治療室からはギリギリと鑢(やすり)を擦る音が聞えました...
牧野信一 「美智子と歯痛」
...髢屋の主人が背のびをして瓦斯にマツチを擦ると...
水野仙子 「神樂阪の半襟」
...擦るにしたがっていくらでも垢がよれる...
山本周五郎 「山彦乙女」
...ふと、家の参右衛門のなまけ癖が、廂(ひさし)からの日ざしを受けたお臍(へそ)のあたりにへこんで見えて、垢を擦る...
横光利一 「夜の靴」
...朱は擦るたびに低くなる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
......
若山牧水 「樹木とその葉」
便利!手書き漢字入力検索