...だから摩擦(まさつ)も三分の一しかないから...
海野十三 「火星探険」
...擦(す)れ切った紫紺色(しこんしょく)の繍子(しゅうし)の服に身体を包み...
海野十三 「のろのろ砲弾の驚異」
...摩擦が、すんだ...
太宰治 「パンドラの匣」
...なんと雲に擦(す)り切れ...
谷譲次 「踊る地平線」
...何故なれば撫でても満足しなければ擦る...
徳富蘇峰 「弟を葬る」
...咽(のど)のあたり赤き擦傷(すりきず)(盖(けだ)しカラアと咽の合戦の結果)一きは目だち...
徳富盧花 「燕尾服着初の記」
...摩擦を有たぬ物質は可能である...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...――時には敲(たた)く代りに股(もも)を擦(こす)って...
夏目漱石 「永日小品」
...両手で黒い顔をごしごし擦(こす)った...
夏目漱石 「道草」
...お前は胸を擦(さす)って居られる積(つも)り?」「…………」「一体何処(どこ)の誰がこんな御時世にしたんだろう...
野村胡堂 「礫心中」
...擦れ違ふ列車はみな奇怪な重傷者を満載してゐた...
原民喜 「夏の花」
...手きびしい抗議も軽く念頭を擦過するだけのことだったが...
久生十蘭 「無月物語」
...おりおり高い鼻を擦(こす)られる事も有るからで...
二葉亭四迷 「浮雲」
...袖(そで)擦り合わんばかりに行き違ったのであります...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...擦るにしたがっていくらでも垢がよれる...
山本周五郎 「山彦乙女」
...一瞥の瞬間に擦れちがって去りゆくものと...
横光利一 「夜の靴」
...みづから燐寸(まつち)を擦つて...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...触れるとすぐ摩擦(まさつ)を起そうとするのであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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