...なまの里芋を擂(す)りつぶしてどろりとさせたものが出て...
太宰治 「惜別」
...擂鉢(すりばち)を伏せたような恰好(かっこう)のいい小島は...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...この間卒業して以来足を擂木(すりこぎ)のようにして世の中への出口を探して歩いている敬太郎に会うたびに...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...ただ年が年中足を擂木(すりこぎ)にして...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...自分の名前もろくに覺えちやゐませんよ」「健忘症か」「健棒症だか擂粉木(すりこぎ)だか知らないが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...足を擂木(すりこぎ)のようにしてようやく捜しあてたのに...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...けばけばしい模様を描いた丼や擂鉢の類が自慢さうに顔をのぞけては...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...此処は洞ろな擂鉢の底だつた...
牧野信一 「月あかり」
...ヤマノイモの長い擂木(すりこぎ)様の直根が地中深く直下して伸び...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...婦女ども怒って擂木(すりこぎ)で上帝を打ったから...
南方熊楠 「十二支考」
...別に黒胡麻を炒(い)って擂鉢(すりばち)でよく摺(す)って味淋と醤油でドロドロに弛(ゆる)めたものの中へ鯛の身を入れて炊きたての御飯へかけて茶椀の蓋(ふた)をして出します...
村井弦斎 「食道楽」
...それからその水ともに擂鉢(すりばち)へ入れてよく摺って水嚢(すいのう)で漉(こ)します...
村井弦斎 「食道楽」
...剥いた豆は御覧の通り擂鉢(すりばち)へ入て先ず摺木(すりこぎ)でよく搗砕いてそれから充分に摺潰(すりつぶ)すのですがこれもなかなか骨が折れます...
村井弦斎 「食道楽」
...○味噌餅は餅を柔く湯煮(ゆで)おき別に赤味噌を擂り酒と砂糖にて味を付け裏漉(うらごし)にして一旦煮立て餅の上へかけ椀の蓋をなし少し蒸らして食す...
村井弦斎 「食道楽」
...佃煮(つくだに)にしたりしますが蕗味噌はどうします」妻君「先ず蕗の薹を湯煮ておきまして全体なら白胡麻ですが私どもでは胡麻の代りに南京豆を摺鉢でよく擂って味噌を交ぜてお砂糖で味をつけてその中へ蕗の薹を入れて鍋でよく煮たのです...
村井弦斎 「食道楽」
...擂鉢と擂粉木との打合いが...
柳田国男 「故郷七十年」
...ブトはヲットであるから擂鉢の夫ということに帰着するのである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...何だか擂鉢(すりばち)の底でもめぐっているような思いがする...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
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