...娘が擂粉木の沈黙を破って...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...山県(やまがた)公が擂餌(すりゑ)を食べるやうに...
薄田泣菫 「茶話」
...それは擂鉢の底のようになっている処で...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...せっかく丹念に擂鉢(すりばち)にすり貯めて...
中里介山 「大菩薩峠」
...まだろくに味噌も擂(す)れねえ」「それでも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...味噌擂(みそすり)用人なんかに脅(おど)かされるものですか」「その気でやってくれ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...徳利と擂粉木(すりこぎ)が飛んで來たが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...架棚(たな)の擂鉢(すりばち)が独手(ひとりで)に駈出(かけだ)すやら...
二葉亭四迷 「浮雲」
...懸命にゼーロンを操りながら綱渡りでもしているかのような危い心地で擂鉢のふちをたどりはじめた...
牧野信一 「ゼーロン」
...此処は洞ろな擂鉢の底だつた...
牧野信一 「月あかり」
...悒鬱極まりもない擂鉢の底から逃れ出すには...
牧野信一 「月あかり」
...三方を丘にとりかこまれた擂鉢型の小さな村で丘は雛段のやうに桃の花に飾られ...
牧野信一 「陽に酔つた風景」
...ちょうど素麺(そうめん)位な鉄線を長さ一尺五寸位ずつ七本に剪(き)ってあの図を側へ置きながら小さな擂木(すりこぎ)の頭で互い違いに鉄線の中ほどを円(まる)く曲げて手元の方を寄せて固く巻いてあの図の通りにすれば少しもむずかしい事はありません」玉江嬢「それではカステラ鍋やテンピも田舎で出来ましょうか」お登和嬢「出来ますとも...
村井弦斎 「食道楽」
...味も大層結構だが奥さんこれはどうします」妻君「それは最初南京豆の厚皮を除(と)って渋皮のままザッと湯煮て擂鉢(すりばち)の中でその豆を米を磨(と)ぐように磨ぎますと渋皮が剥(む)けます...
村井弦斎 「食道楽」
...擂鉢(すりばち)だとか...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...跡隠(あとかく)しとか擂木(すりこぎ)隠しとか...
柳田国男 「年中行事覚書」
...それをマワシ木(擂木)でたたくことであった...
柳田国男 「雪国の春」
...何だか擂鉢の底でもめぐつてゐるやうな思ひがする...
吉江喬松 「山岳美觀」
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