...「さあお食べ――これを食べると病気がなおるよ」この黒い物を撮み上げた小栓はしばらく眺めている中(うち)に自分の命を持って来たような...
魯迅 井上紅梅訳 「薬」
...茶碗の中に橄欖(かんらん)の実を撮み込んだ...
魯迅 井上紅梅訳 「薬」
...それを撮み取ろうとすると...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...少年はそれをぼつぼつ撮みはじめた...
田中貢太郎 「海異志」
...旅人の右の足を撮みました...
田中貢太郎 「死人の手」
...はっはっ!」そして彼はまた穏かに少量の一撮みの嗅煙草を嗅いで...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...私はピンセットでリバノールガーゼを撮み出す...
外村繁 「日を愛しむ」
...強く撮み絞った痕が残っているのを見て...
外村繁 「澪標」
...例の盤の中の妻の切り取られた筋肉を撮みながら...
外村繁 「落日の光景」
...何か撮み物の用意も頼んだ...
豊島与志雄 「聖女人像」
...撮み物には箸をつけず...
豊島与志雄 「立枯れ」
...この偉大なる吾を……孝行させようともせず撮み上げて了ふので...
牧野信一 「親孝行」
...間もなく静かに眼を瞑りながらハイボールの洋盃を撮みあげると...
牧野信一 「日本橋」
...クレップのやうに縮んだ白い腰巻の一端を撮み出して見せた...
牧野信一 「眠い一日」
...苦茶々々な紙をひろげて赤い丸薬を三粒ばかり撮み出した...
牧野信一 「鞭撻」
...そして「あんな人なんか」と云つて形附(かたつき)の裳(も)を撮み上げて...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...翁はフアウヌスを飾箱から撮み出して...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...食卓の上の五もく鮨を見付けると指でひと撮み口へ投りこんでおいて...
矢田津世子 「女心拾遺」
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