...泥汁(どろ)を撥ね上げぬ様に...
石川啄木 「葬列」
...兎もすると撥ね返りでもする程の上っすべりのする感じですが...
上村松園 「絹と紙の話と師弟の間柄の話」
...僕たちを体ごと撥ね返すようなものが...
豊島与志雄 「失われた半身」
...その外れるやうな勢ひでパツと撥ねるのだと云ふことを説明する所に『訐』の字を使つて居る...
内藤湖南 「弘法大師の文藝」
...ピチヤ/\と水を撥ね返す音である...
中島敦 「環礁」
...一度などは、張り渡してある針金が一本であるため、ドーン、ドーンと鳴って、狂った馬が後脚を蹴上げるように、押えを撥ね上げ、撥ね上げするうち、最後の一本の穴の押えが、「確かに少しずった」と思ったがもうそうなっては、どんな豪勇の者も、「ハッパと度胸較べ」はできないのだ...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...約一間も高く撥ね上がって...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...ほとんど一度も口さえ利いたことはなかった!軟らかい墓土はそばに高く撥ねられた...
葉山嘉樹 「死屍を食う男」
...そこは、印度の靴の爪尖のように、先が尖って、撥ね上っていた...
葉山嘉樹 「労働者の居ない船」
...左右へ土壌を撥ね出し...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...又窓の外の開戸は逃げた奴がはずみで締まるやうに撥ね返して置いたかも知れぬ...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...体を窓枠にぶら下がらせて撥ね返すと窓の外の戸が締まる...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...外の戸を背後(うしろ)へ撥ねたので...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...百五十円と二百円ですが、どうも、二百円のほうは、三文役者の当(あて)なしなんでねえ」「それあ、駄目よ」と、龍子は撥ねた...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...書類でも人間でもピンピン撥ね付ける...
夢野久作 「爆弾太平記」
...その間を歩く人間の抵抗力を文句なく撥ね返す...
横光利一 「北京と巴里(覚書)」
...手紙の着いたその日は折悪くとよの子供が自動車に撥ね飛ばされて即死した日だった...
横光利一 「旅愁」
...何力(どちら)も強い者同志でびんと撥ねてるのですよ...
與謝野晶子 「帰つてから」
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